八代エリア

八代地域は八代市、八代郡を所管しています。県のやや南に位置し、八代海と九州山地との間に位置し、東西に流域を持つ球磨川と氷川等からの土砂の堆積によりできた三角州が基部となり、江戸時代初頭からの干拓事業により形成された西の平野部と、九州山地の脊梁地帯を形成する東の中山間地域からなっています。
平坦地域では、水稲、いぐさ、野菜、花きなどの多彩な作物が生産されており、これらを組み合わせた複合経営や施設野菜(トマト、メロン、イチゴ)の専作経営が行われ、「はちべえトマト」で知られる冬春トマトは、日本一の産地となっています。
近年は、ブロッコリー等の露地野菜の作付面積が年々増加、また、飼料用稲は、農作業受委託組織による組織的な生産により県下有数の作付面積となっています。
中山間地域では、立地条件を活かした農業が営まれ、ショウガ、なし、晩白柚、茶などの産地が形成されています。

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県南広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒866-8555 八代市西片町1660

電話:0965-33-3462

FAX :0965-33-4540

八代エリア普及現地情報

2026年10月

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4Hクラブ員が吉野梨部会を救うヒーローに!? ~営農継続に向けた復興支援プロジェクト~ 

令和8年度熊本地震では、県内有数の梨産地である吉野梨部会でも収穫目前の約8割の梨が落下し、多くの生産者が大きな喪失感を抱いていました。
このような中、同じ果樹農家でキッチンカーで旬の果実を使った搾りたてジュースを販売する八代地方4Hクラブの桑原健太氏は、毎年、同産地の梨をジュース原料として仕入れており、発災直後に梨農家を訪問した際に、被災農家の「仕事を探さないと…」という言葉に胸を打たれ、支援活動を開始しました。
まず、取り組んだのは、断水や停電が続く中、避難所に落下した梨を活用した梨ジュース約300杯を無償提供し、被災者に涼しさと元気を届けました。
次に、発災後、わずか1週間でECサイトを開設し、落ちなかった梨を活用した「希望の梨復興支援プロジェクト」※を立ち上げ、SNSや日本テレビ24時間テレビ等を通じ、全国への支援を呼びかけた結果、目標を上回る1,600箱の注文を獲得し、売上金の約7割を梨生産者へ届けることができました。
これにより、一杯の梨ジュースから始まった支援の輪は全国へ広がり、産地に大きな希望を届け、梨生産者の営農継続への意欲を後押しすることができました。
また、桑原氏自身もこの活動を通じて「価格設定や販売手法等の研究や販売力・マーケティング力の習得ができた」と前向きな成果を強調しています。
今後も当課では、熊本地震からの復興支援に尽力すると共に、4Hクラブ活動通したクラブ員の資質向上と地域農業を担う農業後継者の育成に取り組んでいきます。

※「希望の梨復興支援プロジェクト」:梨農家から梨を買い上げ、支援金を含めた価格で販売する取組。

2026年10月

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トルコギキョウ
湿地性カラー

JAやつしろ花部会総会・出荷反省会の開催 豪雨災害を乗り越え新たなスタートを 

令和8年7月22日にJAやつしろ花部会(31名)の総会と出荷反省会が開催されました。
令和7年産は令和7年8月豪雨により、多くのほ場が浸水被害をうけ、水害復旧からのスタートとなりました。特に部会の主力品目であるトルコギキョウは、苗の流出や加温機等の施設装備に大きな被害を受け、栽培面積も前年より1割ほど減少しました。
しかし、草勢回復のための葉面散布や病害対策、栽培品目の変更など部会一丸となって取り組んだ結果、総出荷本数2,747千本(前年比99%)、金額345百万円(前年比79%)、単価126円(前年比80%)となり、全国的な花き単価の低迷の影響から、販売金額は減となりましたが、ほぼ前年並みの出荷を維持しました。
既に令和8年産のトルコギキョウの育苗が始まっており、昨年減少した面積は回復する見込みとなっています。また、昨年浸水したほ場では土壌病害の発生が懸念されるため、当課では、関係機関と連携し土壌還元消毒等の推進を図っており、市場からも産地復活への期待と安定供給を求める声が多く寄せられました。
今後も引き続き、近年大きな問題となっている高温化や病害虫発生による品質低下等の対策に取り組み、安定出荷を図ることで、更なる八代産花きのブランド確立へ向けた支援に努めます。

2026年10月

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市場との意見交換の様子
出荷前のホオズキ

今年もホオズキ出荷がはじまります ~新たな地域特産花きを目指して~ 

八代市泉地区では2名の生産者が露地とハウスで8月お盆向けにホオズキを栽培しており、今年は7月20日から、熊本市内の花市場に向けて約6千本のホオズキが出荷されました。
今作は春先の低温や梅雨明け以降の高温乾燥など、ホオズキにとって栽培が難しい気象条件でしたが、ビニル被覆や寒冷紗等の活用、潅水管理や病害虫防除の徹底により、昨年より丈が若干短いながらも実付はよく、1本に10個以上実がついた品質の良いホオズキに仕上がっています。安定した単価で取引ができており、泉産のホオズキとして市場での認知度も上がっています。
また、昨年から露地栽培に取り組んでおり、7月15日、20日には熊本市内の花市場2社をほ場に招き、ホオズキの単価動向や出荷状況について意見交換を行いました。露地栽培はハウス栽培に比べると、草丈は短いものの、実の数や発色に問題はなく、市場からもカジュアルな花として十分市場性はあるとの意見が聞かれました。
しかし、8月出荷前に虫の食害被害が多く発生し、防除方法と出荷時期に課題が残されました。
ホオズキは簡易な施設で栽培が可能で、生産コストも少なく、お盆時期に安定した需要が見込まれることから、県でも中山間地に適した品目として推進を図っています。   
しかし、中山間地ではハウス設置も難しいことから、当課では露地での栽培も視野に入れ、引き続き関係機関と協力し、新しい地域特産品としてホオズキの定着と安定生産を目指します。

2026年10月

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八代地方4Hクラブ員が九州・沖縄の舞台で熱弁! ~九州・沖縄地区青年農業者会議の開催~ 

青年農業者がプロジェクト活動の成果を発表する「九州・沖縄地区青年農業者会議」が7月8日、9日に鹿児島市で開催されました。熊本県代表として、八代地域から園芸・特産作物部門に森田氏、意見発表部門に大村氏が出場しました。
森田氏は、「晩白柚の未来を救え」と題し、近年の高温・乾燥による着色不良で減少した年内出荷量や所得の改善に取り組んだ成果をついて発表しました。着色促進技術の検討や部会員への技術周知などに取り組み、八代市果樹部会長として全ハウス晩白柚生産者の年内出荷率・所得の向上を目指す思いを語りました。
大村氏は、非農家出身ながら農業に興味を持ったきっかけや、農業高校教員として勤務する中で農業への理解をさらに深めたいと考え、就農を決意した経緯について、熱意を込めて発表しました。
秀賞は獲得できませんでしたが、両氏ともにこれまでの練習の成果を十分に発揮できました。また、他クラブ員からも、各県の青年農業者との交流や意見交換を通じて多くの学びを得ることができ、栽培技術の向上や経営改善への意欲向上につながったとの声も聞かれました。
八代地方4Hクラブは、プロジェクト活動のほか、勉強会や視察研修にも積極的に取り組み、クラブ員の資質向上に努めています。
引き続き、当課では4Hクラブ活動を重点的に支援し、地域農業を担う農業後継者の育成とクラブ活動の活性化に取り組んでまいります。

2026年10月

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晩白柚 日本唯一の産地を未来へつなぐために ~所属横断の普及活動による産地の現状把握と今後の展望~

八代地域は、晩白柚の栽培面積全国シェア約95%の産地で、GI登録や輸出などブランド確立にも積極的に取り組んできましたが、近年は、担い手の減少により産地の維持が懸念されています。この全国唯一の産地を未来へつなぐために、当課では今年度よりJAやつしろ、市町と連携して対策に乗り出しました。
まずは、産地が縮小している現状と、このまま対策をしない場合の将来予想を当課とJAで分析し、7月に開催された部会の総会で部会員全員に共有しました。また、秀品率、大玉率の成績をもとに部会全体における位置づけを農家ごとに分析しました。さらに、全部会員73名を対象に3班体制で1人当たり30分程度かけて個別面談を実施しました。面談では、経営の課題や将来の経営や産地について考えていることなど率直な意見を聞くことができました。
今回の総会での説明と個人面談により、部会員全員が自分たちの産地をどうやって未来につないでいくか、それぞれが自分たちのこととして気づきを得る機会になりました。今後は、個別面談の意見を集約し、部会と一緒に具体的な対策を検討する予定です。
八代地域に晩白柚が導入されて65年。日本唯一の産地を未来へつなぐために、関係機関と連携し、担い手育成・確保、園地の継承等を進めていきます。

2026年8月

研修会の様子

家畜防疫関係業務従事者研修会を開催!

管内で鳥インフルエンザが発生した際、県庁等からの防疫作業従事者をスムーズに受け入れるため、関係機関の連携体制確認を目的とした家畜防疫関係業務従事者研修会を6月24日に開催しました。
研修会では、中央家畜保健衛生所から「鳥インフルエンザの発生状況と防疫対応の概要」が紹介された後、農業普及・振興課から「管内の家禽の飼養状と支援センター等防疫支援機関設置予定場所」、「各家禽農家の鶏舎配置」、「発生時のフローチャート」、および「主な防疫作業支援機関と初動人員配置」等について、実際で発生したトラブル等の実例も交えて説明を行いました。
研修会には県南広域本部職員の他、市町、農業団体、建設業協会、国土交通省関係機関、警察等から97名が参加いただき、万一発生時にそれぞれが果たす役割について確認しました。
農業普及・振興課では、今後も本格的なシーズンインを前に、スタッフ連携会議や防疫演習等を開催し、初動防疫の体制強化に努めて行きます。

2026年8月

啓発資料

八代地域病害虫防除等対策会議の開催

去る6月26日に八代地域病害虫防除等対策会議を県の県南広域本部で開催しました。
当対策会議は、県や市町、JA、養蜂組合、農薬販売業者等が構成員となっている組織で、八代地域における病害虫の適切な防除と農薬の安全・適正使用を推進することを目的としています。現在、農薬危害防止運動を展開しており、会議では、昨年度の活動実績と本年度の活動計画について協議しました。
八代地域は全国屈指のトマトの産地ですが、黄化葉巻病対策が重要な課題となっています。本年度においても、病気の媒体となっているコナジラミ防除を徹底するため、夏場の作付け抑制と「一斉除草」に取り組むことを確認しました。
また、施設野菜や果樹などの受粉に欠かせないミツバチの危害防止を図り、ドローン防除業者等と養蜂関係者との連携強化を図るため、ミツバチに影響の少ない農薬の使用、水稲防除の実施時期や場所等の情報について共有しました。
さらには、農薬のドリフト防止について、農業関係者だけではなく、学校機関との連携や水稲除草剤(ドローン散布を含む)によるい草への被害について細心の注意が必要であることを確認しました。
今後とも、農業普及・振興課は、関係機関と連携しながら、病害虫の適切な防除と農薬の安全・適正使用について推進して参ります。

2026年8月

いぐさ収穫の様子
収穫されたいぐさ

令和8年産いぐさの収穫スタート!

日本一のいぐさ産地である八代・宇城地域では、令和8年産いぐさ(217ha)の収穫が6月中旬から始まりました。本年産のいぐさは、生育前半は好天に恵まれ、地下部が充実し、地上部の生育もかなり進みました。生育後半になると、4月の曇雨天や低温の影響で、生育が鈍化しましたが、6月になり降雨に恵まれ、茎の伸長も回復し、品質についても、茎の充実や色調も良好ないぐさが収穫されています。本年産のいぐさは、「長茎」の割合がやや少ないものの、全体的には、茎数が多く収量も平年より多くなると見込まれます。
昨年の8月豪雨により、約3割のいぐさ専用機械類が浸水し、令和8年産いぐさへの影響が懸念されましたが、影響は最小限となりました(前年の10%面積減は、後継者不在や健康上のリタイアが主な理由)。
当課では、各地区の現地検討会を通じて、各いぐさ圃場の状況に応じた技術指導や様々な情報発信を行ってきました。
今後も、JA及び関係機関と連携して、生産者が安心して持続的にいぐさを生産できるよう支援を行っていきます。

2026年8月

トマト・ミニトマトの終わりは始まり~7月豪雨を越えた結果と次のステップへ~

八代地域の令和7年産トマト・ミニトマトは6月で出荷を終了しました。昨年8月10日から11日にかけての豪雨では、育苗中の苗や定植前後の圃場が冠水し、産地面積の約9割が被害を受けました。厳しい状況下ではありましたが、産地の団結力、生産者の技術力、関係機関の支援による早期の営農再開を果たし、最終実績はトマト出荷量89%、販売額89%(面積前年比95%)、ミニトマト出荷量115%、販売額113%(面積前年比117%)と概ね前年並みを確保しました(JA熊本経済連実績令和6年産対比)。
一方で、令和8年産に向けては、土壌病害や害虫対策など多くの課題が残されています。このため、当課では関係機関と連携し、全農業者向けに土壌消毒の啓発チラシを作成・配布するとともに、全3回の講習会を開催し、延べ70名が参加しました。
講習では土壌消毒の必要性と手法の再確認に加え、青枯病を簡易判定できるキットの実演を行い、早期判断の重要性を共有しました。参加者からは消毒方法の選択や太陽熱消毒による雑草対策など具体的な質問が寄せられ、令和8年産に向けた意欲の高まりが見られました。また害虫対策として、関係機関と連携した管内全域での3回の広報巡回の実施に加え、住民向けの防除広報チラシを作成・配布し、地域全体での防除意識向上を図りました。
8月には令和8年産トマト・ミニトマトの定植がスタートします。当課としては、今後も日本の食料供給基地である八代地域の営農継続とトマト産地の生産体制強化に向けた支援を進めていきます。

2026年8月

令和7年豪雨により冠水被害に遭った苗床
令和8年産の育苗の様子

不屈の八代いちご! ~逆境の令和7年産で示した底力~

県下最大の作付面積を誇る八代いちごの出荷が、6月末で終了しました。八代地域では、令和7年8月豪雨で約8割のいちご苗が冠水するなど甚大な被害を受け、生産者にとって令和7年産は非常に厳しい一年でしたが、産地の団結力、生産者の技術力、関係機関の支援等により早期の営農再開が果たされ、最終実績は令和6年産比で出荷数量:99%、販売金額:99%、平均単価:100%となる好成績でした。
今回の災害では、特に子苗の浸水被害が大きく、次作に向けた高設育苗棚の導入が喫緊の課題となりました。
このため当課では、事業を活用した高設育苗棚の導入支援を進めるため、農産園芸課と連携し、管内4生産部会に対して事業推進を行った結果、計24戸が導入を完了しました。
現在、生産者は息つく間もなく、すでに令和8年産に向けた育苗を進めています。当課では、各講習会において、いちご栽培の要である育苗期の管理ポイントや土壌消毒の重要性を粘り強く指導し、理想的な充実苗(鮮やかな濃緑色の葉3~4枚、クラウン径9~11mm、白く密に形成された根をもつ苗)の育成に向けた技術支援を行っている最中です。
今年度は、豪雨に負けなかった八代いちごの底力をさらに発揮し、昨年以上の成果を目指すと共に、将来的には高設育苗棚の導入率100%を目標に関係機関と連携しながら事業推進および技術支援を継続していきます。

2026年7月

収穫時期を迎えたサンショウ 
現地検討会の様子

東陽町の新たな特産を目指す‐サンショウ検討会

八代市東陽町では、約3年前から中山間地の新たな特産品づくりを目指して、サンショウが導入されています。現在、東陽山椒部会の11名の農家が栽培に取り組み、今年、初結果を迎え、5月15日に現地検討会が開催されました。始めに当課から、夏期の管理方法と病害虫対策について講習し、その後、収穫前のほ場で現地指導を行いました。植栽3年目の樹では、ある程度の着果がありましたが、一部着果不良も確認され、着果確保が今後の課題です。5月中旬から6月ころまで収穫が続きます。初収穫の今年産は、東陽町の加工施設で、試験的に加工を行う予定です。
現地検討会では栽培方法に多くの質問があり、加工や販売の将来についても多くの意見が出されるなど、サンショウが中山間地域の活性化につながっていることが実感されました。
当課としては、関係機関と連携し、サンショウの産地確立を支援していきます。

2026年7月

ほ場視察の様子
「ゼンユウガリバー早生」 の親茎・若茎

アスパラガスの高温対策に向けた視察研修

八代地域のアスパラガスは、品種「ウェルカム」を中心に半促成長期どりの作型(2月~10月)で栽培が行われています。近年、夏季の高温や株の老化に伴う収量や品質の低下が問題となっており、従来の品種より高温条件下でも収量及び草勢に優れる品種の導入検討を地域では進めています。
このため、一早く耐暑性品種を導入している福岡県、佐賀県の優良事例を調査するため、JA指導員と共に視察研修を行いました。
視察先では、耐暑性に優れる品種の特性や草勢、萌芽状態、生育の揃いや収量性の高さ、株の改植作業の省力化につながる事例についても確認することができました。参加者からは、「視察先の品種を導入した場合の具体的な草勢管理が理解できた」などの意見が出され、改植株の養生方法や収穫開始となる期間の目安や高温期の管理技術など、産地の維持に向けた意見交換が行われる有意義な研修となりました。
当課では、改植を検討する生産者ほ場で従来品種と比較する展示ほを設置し、現地実証調査等を通して八代地域に適した品種の導入や栽培管理方法について検討し、アスパラガスの安定生産に向けた支援に努めます。

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