八代エリア

八代地域は八代市、八代郡を所管しています。県のやや南に位置し、八代海と九州山地との間に位置し、東西に流域を持つ球磨川と氷川等からの土砂の堆積によりできた三角州が基部となり、江戸時代初頭からの干拓事業により形成された西の平野部と、九州山地の脊梁地帯を形成する東の中山間地域からなっています。
平坦地域では、水稲、いぐさ、野菜、花きなどの多彩な作物が生産されており、これらを組み合わせた複合経営や施設野菜(トマト、メロン、イチゴ)の専作経営が行われ、「はちべえトマト」で知られる冬春トマトは、日本一の産地となっています。
近年は、ブロッコリー等の露地野菜の作付面積が年々増加、また、飼料用稲は、農作業受委託組織による組織的な生産により県下有数の作付面積となっています。
中山間地域では、立地条件を活かした農業が営まれ、ショウガ、なし、晩白柚、茶などの産地が形成されています。

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県南広域本部 農林水産部 農業普及・振興課

〒866-8555 八代市西片町1660

電話:0965-33-3462

FAX :0965-33-4540

八代エリア普及現地情報

2025年4月

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未来を担う高校生へ地域農業の出前講座を実施!

八代農業高校では、農家出身の生徒が減少し、進路先に農業(就農、農業大学校への進学等)を志望する生徒が少なくなっています。
そこで、農業への関心を高め、将来の選択肢の一つとなるよう、2月17日に地域農業の興味・知識を深めるための出前講座を実施しました。
講座では、生徒が意欲的に参加できるよう、八代農業高校連携PTメンバー※が講師となって、食農創造科1年生(30名)、生産土木科1年生(14名)を対象に、熊本県・八代地域の農業や農業土木について、クイズ形式で説明を行いました。その後、農業に関する課題について考えるワークショップを9班に分かれ実施しました。各班で、農業後継者を増やすには?等の8つのテーマの中から一つ選び、意見をまとめました。
講座後、生徒を対象に行ったアンケート調査で、「農業について楽しく学ぶことができ、知識が深まった。」等の意見が寄せられ、講座前後で生徒の農業に関する興味・関心度は向上しました。
この他にも、今後受けたい研修について、農業体験や植物の病気を詳しく学べる研修等を求める意見があったため、今後の取組みに活かしていく予定です。
八代農業高校連携PTでは、生徒が農業の魅力や楽しさに気づき、「将来、農業に携わりたい!」と思えるよう、生徒の視点に立った取組みを展開していきます。

※農業普及・振興課と農地整備課の若手職員を中心とする「八代農業高校との連携推進プロジェクトチーム」

2025年4月

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今年も甲乙つけがたい晩白柚・デコポンだらけ! ~令和6年産八代地方果実品評会の開催~

令和7年1月17日に、熊本県県南広域本部において、JAやつしろ果樹部会主催の八代地方果実品評会が開催されました。当日はハウス晩白柚16点、露地晩白柚3点、ジャンボ晩白柚17点、屋根掛け不知火10点の合計46点の出品があり、各部門で見た目の美しさ、果実の色や形の揃い、傷の有無、糖・酸度、果実重を審査しました。
本年産は裏年傾向による着果が少ない中、台風等の被害はなかったものの、夏秋期の高温・乾燥による日焼け果の発生や着色遅延など、栽培環境は大変厳しい年となりました。しかしながら、出品された果実はどれも外観・品質ともに良好で、甲乙付け難いものばかりでした。また、ジャンボ晩白柚部門では、果実重量と果径の大きさ(横径)を計測して、最も重い晩白柚が金賞となります。今回は、残念ながらギネス記録(5,528g)には及びませんでしたが、金賞は4,041gで、とても大きく立派なものでした。今年産の厳しい栽培環境下であっても、ここまで大きくできたのは生産者の晩白柚に対する熱い思いの現れだと感じているところです。
当課では、今後も引き続き管理作業の省力化(台木を活用した低樹高化やドローンを活用した防除の省力等)や温暖化に対応した栽培指導(日焼け抑制資材の活用や着色遅延技術の検討)、併せて高齢化が進む中での産地維持・経営継承について関係機関と協力して取り組み、八代の果樹産業をより一層盛り上げていきます。

2025年4月

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しっかり溝切りしたほ場の様子
いぐさ株の様子

いぐさの栽培技術向上を目指して ~現地検討会を開催しました~

2月から3月は、今後の良質な長いの生育や収量に影響する重要な時期であるため、当課とJAやつしろが連携して、現地検討会を各地区(8箇所)で開催しました。
参加した生産者のほ場を巡回し、掘り取ったいぐさ株の根や芽、土壌の状態や土壌分析値等を確認しながら、今後の栽培管理について助言指導を行いました。
特に、2月の栽培管理において重要になるのが地干しの徹底です。地干しを行うことで、土壌中に空気が供給され、発根と出芽が促されます。このため、地干しの効果を高めるために、溝切りや側溝による排水対策を行うよう指導を行いました。
生産者からは「他生産者のほ場を観察することで、今後の管理のヒントを得ることができた。」「自分のほ場の土壌や根や芽の状態を確認でき、参考となった。」といった声が聞かれるなど、2月の栽培管理の重要性を再確認する良い機会となりました。
現地では今後、間断灌水や先刈り、施肥等、ほ場の管理作業が忙しくなる時期を迎えますが、当課では、JA及び関係機関と連携して、生産者の栽培技術の向上・生産安定化に向けた支援を行っていきます。

2025年4月

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品評会審査(2月4日、 JAやつしろ中央い製品集荷場(千丁町))
表彰式(2月6日、八代ホワイトパレス)

生産者の思いが込められた原草・畳表が揃う ~第50回熊本県い業大会開催~

い草の栽培技術や畳表の加工技術を競う「第50回熊本県い業大会」が、令和7年1月24日から2月7日にかけて八代市内で開催されました。
2月4日に行われたい草・い製品品評会では、原草116点、畳表118点が出品され、当課を含む審査員(38名)が評価にあたりました。
い草の部については、一部にむら染めや茎が軟らかいものがみられたものの、全般的に粒揃いのよい良質な原草が出品されていました。い製品の部については、一部に水分が基準(12%以下)を上回るものなどが見受けられましたが、茶元や元白が少なく、全体的にバランスに優れ、例年以上に加工技術の高さを感じる高品質な畳表が出品されていました。
本年度は、い草の部で坂本一真さん・奈美さん(八代市)、い製品の部で早川猛さん・克美さん(氷川町)が農林水産大臣賞を受賞されたほか、熊本県知事賞など合計90点が表彰されました。
また、入賞した原草と畳表については、2月8日にJAやつしろ中央い製品集荷所で展示が行われ、県内外から訪れた多くの関係者(畳屋、問屋、生産者等)で、大変な賑わいでした。
当課では今後も、JAや関係機関と連携しながら現地検討会や講習会等を開催し、生産者の生産加工技術の高位平準化と所得向上を図っていきます。

2025年4月

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関係機関の連携会議
座談会での説明

経営継承重点地区の取組 ~産地を次代につなげるために~

八代地域は、園芸を中心にした農業生産の盛んな地域ですが、中山間地を中心に産地の高齢化が進んでおり、対応が急務になっております。
そのため、広域本部、市町、JAで構成する連携会議において、担い手確保に向けた対策を検討しました。そして、令和5年8月に、高齢化が特に進んでいるJAやつしろのしょうが部会を経営継承の重点地区に設定し、支援を図ることにしました。
まず、令和6年1月から産地のアンケート調査を実施しましたが、10年後には生産者が半減することが判明し、これを産地で共有するとともに、新たな担い手を確保するための取組みを進めることにしました。
令和6年度は、新規就農者の成功事例調査や新規就農者の募集のリーフレットを作成し、就農相談などに取り組みました。
今後は、空屋情報の提供や農地のマッピングを進めるために、関連する事業との連携を図っていくことにしております。
さらに、令和7年2月には、同様に産地の高齢化の問題に悩むJAの晩白柚部会も、追加で重点地区に設定しました。こちらも、現在、産地のアンケート調査を実施し、令和7年度から支援に取り組んでいく予定です。
農業普及・振興課では、今後も、関係機関の連携のもと、産地を次代につなげていくための取組みを進めていきたいと考えているところです。

2025年4月

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先進地視察の様子
上田組合長(正面左)の説明

氷川町農事組合法人連絡協議会先進地視察の開催

氷川町では、町内の6農事組合法人で『氷川町農事組合法人連絡協議会(令和元年設立)』を組織しており、法人間の連携により、各組織の機能強化や農業経営の改善に取り組んでいます。本課においても普及振興計画の重点課題として、各法人の経営力強化と広域連携の推進を図っているところです。そこで、2月3日(月)に協議会の運営委員(各法人の理事)による先進地視察研修を企画し、R6年度農林水産祭において内閣総理大臣賞に賞された(農)秋津営農組合(熊本市)を視察しました。
(農)秋津営農組合は、基盤整備を機に機械利用組合として誕生し、H25年に法人化されました。組合員数は142名、耕地面積約150haと6法人の合計とほぼ同規模の法人です。しかし、8年前の熊本地震で地盤沈下や用水施設の破損などにより営農できない苦難に合いながらも、現在では米・麦・大豆で県内トップクラスの法人となっています。組合長からは、「復旧工事は修了したが、地力が低下し、以前のような農地にはまだ戻っていない。課題も多いがスマート農業の導入など若い世代に関心を持ってもらいたい。そして、地域の自然や風土、文化とともに農地や水を住民と守っていきたい。」と話されていました。当日は各法人の理事のほかJA、氷川町、熊本県農業公社から21名の参加があり、質疑応答では次々と質問が飛び交い視察時間を大幅に超過するなど、参加者の熱意が感じられた研修となりました。
本課では、法人の経営力強化や広域連携に向けた意識の向上に向け、引き続き関係機関と連携しながら取り組んでいきます。

2025年3月

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八代農業高校との連携プロジェクト始動!

八代農業高校では、農家出身の生徒が少なくなってきており、卒業後に就農
する学生はほとんどいない状況です。このため、次世代の本県農業を担う人材を確保するためには、農業高校と連携した取組みが必要です。
そこで、R6年12月に、農業普及・振興課と農地整備課の若手職員を中心とする「八代農業高校との連携推進プロジェクトチーム」を立ち上げました。PTメンバーで連携の方向性を検討・整理し、八代農業高校の先生方と打合せを行ったところ、多数の取組み案の中から、生徒の農業に関する興味や知識を向上させるため、まずは、講話を実施することにしました。その他の取組みは、高校の学習カリキュラムやニーズを踏まえて再整理することにしました。
併せて、今後連携する取組み内容について先生方とブレーンストーミングを行ったところ、生徒と生産者との交流会や生徒への農地測量方法、栽培技術指導等の意見が挙がり、取組み内容を整理することができました。
今後、講話の日程や内容について先生方と検討し、PTメンバーが講師となって、クイズやワークショップを実施することに加え、生徒へのアンケート調査を行い、今後の取組みに活かしていくことにしています。
八代農業高校PTでは、生徒が農業の魅力や楽しさに気づき、将来的に農業に携わりたい!と思えるよう、生徒の視点にたった取組みを展開していきます。

2025年3月

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1月上旬定植の株
1月中旬定植の株

令和7年産春メロンは収量向上を目指して ~生育と管理の再確認~

令和6年産の春メロンは、気象の影響で果実が小さく、収量が少なかったことが問題となっていました。そこで、令和7年産では果実を大きくし、昨年以上の収量を目指すため、生育や管理の状況を確認する現地検討会を2月3日に開催しました。
八代地域の春メロンは、県内でも上位の産地であり、その多くはトマトからの切り替えにより栽培され、1月から定植が開始されます。そのため、現地検討会では、定植時期が異なる(1月上旬、中旬、下旬)圃場を選定しました。当日は、生産者から、「午前と午後それぞれの温度管理はどうするのか」「トンネルを開けるタイミングはいつか」「生育の良否の判断はどこでするのか」等の質問が挙がり、これからの本格的な栽培に向け適切な指導・助言を行いました。定植は2月~3月にかけ最盛期となるため、今後も適宜、現地検討会を重ねていくとともに、それぞれの生育ステージに合わせた指導も行っていきます。
近年はトマトからミニトマトへの転換が見られ、八代地域の春メロンは栽培面積が減少傾向にありますが、そのようななかでも、関係機関と連携し、安定生産と収量向上による稼げる農業の実現に取り組んでいきます。

2025年3月

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ベテラン農家による仕上げ技術の講習
当課からの展示ほ試験結果の報告

匠の技を次世代へ~畳表加工講習会開催~

当課ではJAやつしろい業部と共に、1月15日、若手生産者の畳表加工技術の向上と技術継承を目的として、生産者37名参加のもと畳表加工講習会を開催しました。
畳表を織る際に発生した織り傷(いぐさが1本ずつ入るところに2本織り込まれた、途中で折れた、ささくれ立った等)を修復する仕上げ作業は、品質を左右する重要な作業です。
今回の講習会では、高度な畳表加工技術を持つベテラン農家3名から、織り傷を丁寧かつスピーディーに修復する匠の技が披露されました。織り傷がみるみるうちになくなっていく様は、参加者から感嘆の声が聞こえてくるほど、見事な匠の技術でした。また、参加者がその場で実際に傷をつけ、講師がその傷に応じて仕上げる実演をふまえた質疑応答は、参加者にとって技術習得の有意義な機会となりました。
併せて当課からは、今年度行った一次苗床における除草剤の効果的な散布に係る展示ほ試験結果について情報提供を行い、参加者から散布方法の質問がある等、一次苗の安定生産に向けた意識向上が見受けられました。
産地では生産者の減少と高齢化が進んでおり、生産・加工技術の継承が喫緊の課題となっています。日本の畳文化を支えるいぐさ・畳表産業の維持・発展のため、当課では今後も関係機関と協力して生産者の支援を行っていきます。

2025年3月

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八代地域で地域営農法人間連携深まる ~八代地域営農法人情報交換会、氷川町農事組合法人個別相談会開催~

八代管内には、現在13の地域営農法人がありますが、法人設立から年数が経つにつれ、労働力不足や後継者問題などの共通課題が浮き彫りとなってきました。そこで、法人間や関係機関で課題を共有し、さらなる法人の発展を目指し、八代地域営農法人情報交換会をJA主催で1月22日(水)に開催しました。情報交換会には、各法人から20余名の参加があり、JA、八代市等から多数の出席がありました。
基調講演では、「地域営農法人の展望と活性化方策2024」と題し、(株)農テラス 山下氏から、自身の失敗を含む経験談を交えながら、担い手不足・事業継承に対する考え方等について説明がありました。また、NTTコミュニケーションズから、稲作での中干し期間の延長により削減されたメタンガスをJクレジットに還元する仕組み等について情報提供がありました。その後の情報交換会では、「同じ悩みを共有していることがわかり気持ちが軽くなった」などの声が聞かれました。
また、氷川町では1月20日から3日間で全6法人を対象とした個別相談会を開催し、経営内容やオペレーターの状況、機械の更新等の法人が抱える問題や課題等の明確化を図りました。6法人は、それぞれ抱えている課題が異なり、画一的な推進は困難ですが、連携可能な点も見つかり広域連携の実現に一歩近づく相談会となりました。
本課では、地域計画の担い手として中心的な役割を果たす地域営農法人について、将来あるべき姿を共に模索しながら伴走型支援を継続していきます。

2025年2月

生鮮食品と加工食品の区分
精米の表示例

安全でおいしい食べ物を食卓へ ~食品表示巡回調査・指導を行いました~

11月~12月にかけて球磨地域管内の物産館、直売所11店舗を対象に、食品表示(品質事項)の巡回調査・指導を行いました。本調査は、食品表示法に基づく食品表示の適正化を図ることを目的として行うものです。
各店舗では、生鮮食品と加工食品(ア.弁当・惣菜類、イ.菓子類、ウ.農産物漬物類、エ.乾燥野菜・果実類)の名称、原産地や原材料名、消費期限、製造者等の表示状況について調査しました。いくつかの店舗では、連絡先の表示が一部抜けていたり、地元産のために原産地の表示が抜けていたりと不適切な表示が見受けられたため、各店舗の担当者に、県が発行している「食品表示ガイドブック」を交えて正しい表示方法について説明を行いました。また、販売店から農家や加工業者へも適切に表示を行うようアドバイスをしていただくとともに、販売前に再度表示を確認していただくようお願いしました。1月には指摘事項があった店舗に2度目の巡回を行い、適正な表示へと改善されているか確認する予定です。
当課では引き続き、講習会や店舗での巡回調査等を通して、県南地域の豊かな農畜産物が消費者に正しく選択されるよう食品表示の適正化に取り組んでいきます。

2025年2月

連携会議の様子

第1回八代地域農地集積推進チーム連携会議を開催

農業経営基盤強化促進法の改定により、各市町村において地域農業の将来設計図となる地域計画の策定期限が本年度末に迫る中、地域計画策定並びに策定後の着実な推進を図るため、八代地域では初めてとなる「農地集積推進チーム連携会議(以降、連携会議という。)」を12月16日(月)に開催しました。
連携会議では、農地集積等に関係する機関・団体の参加の下、地域計画の重要性や地域計画をめぐる現状等について普及から説明し、関係機関・団体の連携による推進体制の整備について同意を得ることができました。
また、本県における地域計画策定の進捗状況や今後の国庫補助事業等との連動等について情報共有を行いました。
八代地域は国のモデル地区に八代市が選ばれるなど、県内では進捗度合いが進んでいる地域ですが、まだまだ話合い活動等が不足しており、営農に適した農地の確保や中山間地域対策、基盤整備等インフラ整備や農業継承などの問題があり、課題解決に向け、地域全体で役割を分担しながら取組む必要があります。
本課では連携会議等を通じ、地域計画の進捗状況や課題を共有しながら、10年後の八代地域農業の維持・発展に向け、連携して取り組んでいきます。

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