2025年のエリア普及現地情報

2025年2月

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生鮮食品と加工食品の区分
精米の表示例

安全でおいしい食べ物を食卓へ ~食品表示巡回調査・指導を行いました~

11月~12月にかけて球磨地域管内の物産館、直売所11店舗を対象に、食品表示(品質事項)の巡回調査・指導を行いました。本調査は、食品表示法に基づく食品表示の適正化を図ることを目的として行うものです。
各店舗では、生鮮食品と加工食品(ア.弁当・惣菜類、イ.菓子類、ウ.農産物漬物類、エ.乾燥野菜・果実類)の名称、原産地や原材料名、消費期限、製造者等の表示状況について調査しました。いくつかの店舗では、連絡先の表示が一部抜けていたり、地元産のために原産地の表示が抜けていたりと不適切な表示が見受けられたため、各店舗の担当者に、県が発行している「食品表示ガイドブック」を交えて正しい表示方法について説明を行いました。また、販売店から農家や加工業者へも適切に表示を行うようアドバイスをしていただくとともに、販売前に再度表示を確認していただくようお願いしました。1月には指摘事項があった店舗に2度目の巡回を行い、適正な表示へと改善されているか確認する予定です。
当課では引き続き、講習会や店舗での巡回調査等を通して、県南地域の豊かな農畜産物が消費者に正しく選択されるよう食品表示の適正化に取り組んでいきます。

2025年2月

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連携会議の様子

第1回八代地域農地集積推進チーム連携会議を開催

農業経営基盤強化促進法の改定により、各市町村において地域農業の将来設計図となる地域計画の策定期限が本年度末に迫る中、地域計画策定並びに策定後の着実な推進を図るため、八代地域では初めてとなる「農地集積推進チーム連携会議(以降、連携会議という。)」を12月16日(月)に開催しました。
連携会議では、農地集積等に関係する機関・団体の参加の下、地域計画の重要性や地域計画をめぐる現状等について普及から説明し、関係機関・団体の連携による推進体制の整備について同意を得ることができました。
また、本県における地域計画策定の進捗状況や今後の国庫補助事業等との連動等について情報共有を行いました。
八代地域は国のモデル地区に八代市が選ばれるなど、県内では進捗度合いが進んでいる地域ですが、まだまだ話合い活動等が不足しており、営農に適した農地の確保や中山間地域対策、基盤整備等インフラ整備や農業継承などの問題があり、課題解決に向け、地域全体で役割を分担しながら取組む必要があります。
本課では連携会議等を通じ、地域計画の進捗状況や課題を共有しながら、10年後の八代地域農業の維持・発展に向け、連携して取り組んでいきます。

2025年2月

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積み込みの様子
関係者での記念撮影 (金子国会議員:中央左、森田会長:中央右)

世界に羽ばたけ!!八代特産「晩白柚」 ~香港向け晩白柚出発式~

香港向け「晩白柚」の出発式が12月27日に八代市役所で、やつしろ晩白柚ブランド推進協議会、イオン九州株式会社、国会議員などが出席し、盛大に開催されました。八代特産の「晩白柚」は黄色く、丸くて大きい姿から中華圏では春節の縁起物として絶大な人気があり、今回で11回目の輸出となります。
本年産の「晩白柚」については、梅雨明け後の高温・干ばつによる小玉傾向や日焼け果の発生、着色の遅延などの課題がありました。しかし、普及・農協からの徹底した栽培管理指導により、最終的には果実肥大や食味は申し分なく、また12月の冷え込みで着色が促進し、順調な出荷ができています。
今回はL玉2,100個(R5: HK$149/個)、3L玉32個(R5:HK$999/個)を輸出し、1月16~28日にイオンストアーズ香港13店舗で店頭販売される予定です。また本年度は、新たな取り組みとして、イオン香港内のコメダ珈琲店6店舗で、晩白柚加工品を使った期間限定メニューも提供される予定です。
やつしろ晩白柚ブランド推進協議会の森田会長からは「今年の晩白柚は糖度、酸味、食味ともに良好で、自信を持って出荷できる。春節の贈答品として、香港のお客様にも喜んでいただきたい。」と挨拶がありました。
「晩白柚」は、温暖化による着色遅延や日焼け果の発生といった栽培管理上の問題だけでなく、担い手不足による栽培面積の減少など、問題・課題も残っています。当課では、引き続き関係機関と連携して、気候変動に対応した栽培管理指導や担い手の経営継承の支援などを行い、産地としての生産量の確保に取り組みます。

2025年2月

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経営体部門 林田さん(いぐさ作業場等)
新人王部門 滝本さん(露地野菜ほ場)

八代地域農業経営者協議会と新規就農者の合同研修会を開催

八代地域農業経営者協議会(以下経営者協議会、会長(株)アグリ日奈久代表 白石節夫氏、会員38名)は、県農業コンクール大会参加者と指導農業士で構成され、会員の経営改善と農業後継者の育成に積極的に取り組まれています。
一方、本年度の新規就農者は28人で、当課では、9月に研修会(激励会)を開催するとともに、各種研修の案内や巡回指導等を行い、早期の就農定着を支援しています。
今回、管内の優良経営体事例の研修と先輩農業者との交流を目的に、経営者協議会の現地研修会と合同で、新規就農者の経営力向上を目的にした研修会を、12月13日(金)に開催しました。
当日は、新規就農者4名と経営者協議会会員23名が参加し、令和5年度の県農業コンクール大会参加者の現地ほ場を見学し、その後、情報交換会(懇親会)を行いました。
参加した新規就農者は、生産品目が違う農業者にも積極的に質問等を行っていて、経営確立への熱い意欲を感じたところです。
当課では、今後も、新規就農者への資質向上の場を提供していきます。

2025年2月

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発表の様子
八代農業高校生と記念撮影

次世代のリーダーとなる農業後継者の育成 ~八代地方青年農業者会議の開催~

令和6年12月20日、八代ホワイトパレスにて八代地方青年農業者クラブ連絡協議会主催による八代地方青年農業者会議が開催されました。クラブ員は日々、プロジェクト活動を通じて問題解決能力を身に付け、我が家の農業経営の改善を目指しています。今回は8名のクラブ員が県、市町、関係団体を含めた総勢40名の前で発表しました。
当課では、各クラブ員に担当職員を割当て、問題発見と課題の明確化、経営改善及び発表に至るまで、二人三脚で指導支援を行いました。
意見発表で最優秀賞の江嶋氏の発表は、「いぐさと言ったら江嶋」をキャッチコピーに、何気なく始めたいぐさ農家が自分の天職であったこと、またいぐさの知名度向上や自己成長・知見拡大のため4Hクラブに入ったなど、いぐさに対する思いや農家としての責任・使命を熱く発表されました。
また、プロジェクト発表で最優秀賞の桑原氏の発表は、「晩白柚ジュースの販路拡大」と題し、晩白柚ジュースの美味しさを広く周知・販売したい思いと、商品開発に勤しむ中での苦悩や課題克服に向けた取組事例を発表されました。
また、農業の魅力や4Hクラブを知るきっかけとして招待した八代農業高校生からも活動発表があり、教員の方からは「いい交流ができた。次年度は全校生徒を参加させたいほど有意義な時間であった。」などの言葉もいただきました。
今後も当課では、プロジェクト活動支援を行い、次世代のリーダーとなる農業後継者の育成支援に取り組んでいくとともに、先進地視察研修や他地域クラブ員との意見交換・交流の場を設けるなど、クラブ活動を一層盛り上げていきます。

2025年1月

紙芝居の様子
園児へのみかんの贈呈

みかんをはじめて食べました!? ~幼稚園・保育園児等への県内産みかんの提供活動~

本県では果樹生産振興対策本部(事務局:熊本県農産園芸課)とJA熊本果実連が中心となり、県内の子ども達に温州みかんを「見る」・「触れる」・「食べる」機会を設け、みかんの知識・魅力を伝える活動を行っています。これまで県内全域の幼稚園・保育園・特別支援学校など、のべ約2380園(H22~R5年度)に提供してきました。
当課では11月6日に八代管内の当選した4園でみかん配布と併せ、「みかんがどうやってできるのか」、「みかんを食べるメリット」等を理解できるよう簡単な紙芝居で説明し、温州みかんの魅力を伝えました。当日は多くの園児・先生方へ紙芝居で説明し、温州みかんに対する興味を深めてもらいました。紙芝居が終わった後に園児からは、「ももの花は何でピンクなの?」や「イチゴって何で木になってないの?」など、みかん以外の果物についても多く質問があり、園児達の果物に対する好奇心に圧倒されました。
一方で、温州みかんを食べたことがない園児も一定数おり、理由を聞いてみると「おうちで出てこない。おいしいのかもわからないから食べない。」との声があり、先生方からは「高騰する給食費の削減で、嗜好品である果物類をなくすしかないのが現状。」など、園児達が日常的に口にする機会が少ないという現実も確認できました。
当課では、生産現場での収量増加・高品質果実生産の支援だけでなく、食育活動を通して県内産果樹の魅力・美味しさを発信しながら、老若男女を問わない果樹の消費拡大が続くよう取り組み、本県の果樹産業を盛り上げていきます。

2025年1月

もしもの発生に備えて~家畜伝染病防疫演習の開催~

国内の鳥インフルエンザは過去最速のペースで発生している中ですが、当課主催による家畜伝染病防疫演習を氷川町の竜翔センター体育館で11月12日に開催し、県南本部職員や関係機関合わせて85名が参加しました。
まず、中央家畜保健衛生所から家畜伝染病の概要と発生状況について説明ののち、鳥フル防疫対応の動画を全員で視聴しました。
体育館内には支援センターと現場事務所を仮設置し、当課の新採職員等3名を動員者に見立て、その動きやスタッフとしての作業内容を確認していきました。
新採職員等3名は防護服の着脱等初めての貴重な経験ができたとのことでした。
また、支援センター→現場事務所→支援センターの動員者の流れやスタッフの動き全体を見ることができたと、参加者からは評価を得ました。
12月17日には八代地域の各係・部門別のスタッフ会議を開催し、連携強化を図っていきます。
鳥インフルエンザは発生させないことが一番ですが、もしもの発生に備えて、今後も警戒レベルを高めていきます。

2025年1月

カモ類から八代地域の農産物を守ろう! ~鷹匠によるカモ類の捕獲・追払い活動始まる~

八代地域では、野生鳥類の中でもカモ類による露地野菜等への被害が大きいことから、関係機関と『八代地域農産物鳥類被害防止対策連絡協議会』を設置し、様々な被害防止対策に取り組んでいます。
その取り組みの一つとして、佐賀県武雄市の鷹匠と連携し、今年度初めてとなる本物の鷹を使用した被害防止対策活動を11月19日に実施しました。
被害防止対策として、氷川町の不知火干拓からスタートし、八代市南部までの沿岸地帯を巡回しながら、圃場に侵入しているカモを鷹で捕獲しました。鷹による捕獲は一瞬のことでカモ達はパニックになり、他のカモ達は見えなくなるまで飛んで行きました。また、別の地区では、鷹を一羽飛ばしただけで近くにいたカラスやトビが何十羽も集まる等カオス状態となり、鷹が与える影響の大きさが伺えました。
また、地元の猟友会による船上捕獲と連携し同日同時刻に実施する等、陸と海の両方からカモ類に脅威を与え、地域内に留まらないような工夫もしました。これらの取り組みは3月中旬まで月2回のペースで実施する予定です。このほか、氷川町では今回の実証との相乗効果を狙い、鷹の模型(カイト)を川の河畔に設置する等、市町が主体的に取り組めるような新たな取組みについても実証中です。
農業普及・振興課では、本格的な渡り鳥シーズンに向け、関係者と連携してカモ類被害防止対策の実証や周知活動を実施し、有効な対策技術の定着による被害軽減に取り組んでいきます。

2025年1月

至高の「いずみ茶」を目指して~お茶検討会の開催~

八代市泉町で12月3日にお茶の検討会(求評会)が開催され、泉町茶業振興協議会員と関係機関合わせて13名が参加しました。
会に先立ち、当課では生産者のお茶を集め、品質の目安となる全窒素や繊維量などの成分を近赤外線分析装置を用いて計測しました。
当日は測定結果について過年度の分析値も踏まえて説明を行い、その後、参加者でお茶の外観や水色、香気について評価検討し、最後に試飲しました。生産者それぞれのお茶に香りや味の特徴があり、製造方法や栽培管理について活発な意見交換や議論が交わされました。
また、当地域は新品種の導入や改植があまり進んでおらず、品種への興味や今後の改植への意識を高めてもらうために、他地域で栽培が進んでいる県の新品種「TC01」の紹介も併せて行いました。
検討会の最後には、農業革新支援専門員から全体講評と市場で高値で取引されるお茶や、中山間地特有の香り高いお茶を生産するための栽培管理についてのアドバイスもあり、参加者からは「来年に向けた良い勉強になった」との感想をいただきました。
当課では今後も関係機関と連携しながら、現地指導や検討会を通じて「いずみ茶」の品質向上および生産安定に向けて支援していきます。

2025年1月

対策会議の様子(JAやつしろ営農センター会議室)
トマト黄化葉巻病対策作業部会体制図

地域一体となってトマト産地を守る! ~トマト黄化葉巻病対策会議の開催~

八代地域における本年のコナジラミ類の発生は多かったものの、トマト黄化葉巻病の発病株率は昨年より低く推移しており、これまでの地域一体となったトマト黄化葉巻病対策の取組み成果が現れているところです。
このような中、令和3年から生産者も交えているトマト病害虫対策会議を12月3日に開催し、出荷組合や出荷団体、地域作業部会の代表者、JA、県市町の関係者(合計44名)の参加がありました。
当日は、更なる防除体制強化のため、コナジラミ類対策の必要性の再確認や令和6年度コナジラミ類の野外発生推移、トマト黄化葉巻病の発病株率等について、情報共有を行いました。出席者からは、コナジラミ類の調査や対策の取組みへの前進的な要望や意見交換がなされました。
さらに、次作のトマト・ミニトマトの栽培期間に対する生産者間による検討も行いました。これまでとは異なり、高温対策も視野に入れた見直しの提案もあるなど、出席者による活発な意見交換も行われました。
今回の会議では、新たな情報共有部位分も加え、生産者からは有意義であったとの意見があり、当課では今後も、他産地では見られないこの地域一体となった防除体制を維持・強化し、日本一のトマト産地として稼げる農業に取り組んでいきます。

2025年1月

現地検討会
まだら果の状況

着色不良果(まだら果)の発生を減らすために ~アンケート調査で発生原因を探る~

昨年度、当地域のイチゴ「ゆうべに」栽培では、着色不良果(まだら果)の発生が多く、1割程度廃棄処分されました。まだら果の発生が「ゆうべに」の普及拡大を大きく阻害していますが、発生原因のひとつと考えられるカルシウム欠乏が何故地域で発生しているのかが明らかではありませんでした。
このため、当課では、生産者に対して発生時期やカルシウム資材の施用有無・施用間隔等を調査するアンケートを実施しました。
調査を分析した結果、年内、年明けともに、曇雨天が続いた際に換気や加温が不十分な圃場で多発していました。これは、ハウス内の湿度が低下しなかったことで葉からの蒸散※1が抑制され、根からの吸収量が低下したことが原因のひとつだと考えられました。
このアンケート結果は、11月22日に実施された現地検討会の場で生産者に対して報告・共有するとともに、曇雨天時にハウス内の湿度を低下させることを意識した管理を実施するよう指導しました。併せて、カルシウム欠乏の原因となる草勢の強さを考慮した肥培管理や適正な着果数についても指導しました。
生産者からは、「まだら果について勉強になった。今年度は発生を減らせるよう対策を講じていきたい。」といった前向きな意見が出ました。
当課では、今後もまだら果対策について、引き続き生産者への指導を行いながら今年度の発生を軽減し、生産者の所得向上につなげていきます。

※1 蒸散とは、気孔から植物体内の水分を水蒸気として排出すること。蒸散によって新たな水や養分を根から吸い上げることができる。

2025年1月

栽培管理講習会の状況
食味評価の様子

八代地域における「くまさんの輝き」の推進

水稲品種「くまさんの輝き」は熊本県が育成した極良食味の新品種で、八代地域ではR5年から本格導入されており、R6年は418haまで栽培面積が拡大して今す。一方、八代地域はいぐさや露地野菜等の産地であるため、「くまさんの輝き」の面積拡大に当たっては、極端な遅植えや窒素過多による食味の低下が課題です。
このため、農業普及・振興課では、JAやつしろと連携し、良食味米栽培のモデルとなる展示ほを設置するとともに、7月末に栽培農家を対象とした講習会を開催しました。今年は特に高温状態が続くことが予想されたため、過剰な分げつの抑制につながる中干しの徹底や品質低下を抑制するための穂肥施用、早期落水防止等の指導を徹底しました。
また、12月3日にはJA営農指導員や八代市・氷川町の担当者(19人)を参集し、JAやつしろ本所において、本年産の「くまさんの輝き」(鶴喰地区、五反田地区)の食味評価会を開催しました。評価会では「ヒノヒカリ」に比べ高温登熟性に優れた「くまさんの輝き」の食味評価が高く、ポテンシャルの高さについて関係機関で共有することができました。
八代地域の主力品種である「ヒノヒカリ」は夏場の高温に弱く、今後とも「くまさんの輝き」へ転換が進むと考えられるため、当課としては、関係機関と連携しながら、良食味米としての「くまさんの輝き」の着実な推進に努めて参ります。

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