トルコギキョウの効率的な育苗技術マニュアルを作成
八代管内のトルコギキョウ生産者は育苗施設を持っていない場合を除いて、すべての生産者が自家育苗に取り組んでいます。
トルコギキョウの成苗率の向上と省力化を図る技術として、「RTF苗活用技術による年内および二度切り栽培(農業技術体系花き編)」では底面給水を主幹技術として挙げているものの、当地域では、セルトレイ下部から出根してしまうと定植時の作業性悪化や断根による苗の植え傷みが懸念されることから上部かん水が主流となっています。
このような現象は水稲のプール育苗でも生じており、「根域制限シートによる中苗プール育苗の根切りの省力(埼玉県農業試験場、1999年)」では、水酸化第二銅を含む根域制限シートをプール内に敷くことで、苗箱裏面からの出根を防止できると報告されています。そこで、この技術をトルコギキョウに活用し、セルトレイ下部からの出根を抑制する育苗法の実証試験を実施しました※。
試験の結果、実証技術の実践により育苗管理の省力化や低コスト化、育苗期間の短縮を実現しつつ、慣行育苗と同等以上の規格・品質の切り花を収穫できることが明らかとなり、本技術を「根域制限資材を活用したトルコギキョウの底面給水育苗技術マニュアル」として取りまとめました。
当課では、今回実証した技術を活用しつつ、高品質花きの安定生産を目指して支援を行っていきます。