2020年のエリア普及現地情報

2020年12月

新型カセット式移植機現地お披露目会(11月28日八代市千丁町)
新型カセット式移植機現地お披露目会(11月28日八代市千丁町)

いぐさ産地希望の光!新型カセット式移植機が順調に稼働!

八代・宇城地域では現在、令和3年産に向けたいぐさの植付作業が、寒空の下で順調に進んでいます。
いぐさの植付けは、手植え、機械移植(ポット式、カセット式)の3種類があり、このうちカセット式移植は約4割を占めています。
カセット式移植機は、高齢化や担い手減少が進む産地にとって欠かすことのできない重要な生産機械ですが、産地の縮小に伴って生産が中止されたため、地元ではその生産再開が長年切望されてきたところです。
その様な中、本年11月、「日本一の産地を守りたい」という地元の熱い想いがついに実を結び、新型カセット式移植機22台がメーカーによって再生産され、生産者のもとに導入されました。
これを記念して、生産者・関係者約60人の参集のもと、現地お披露目会が開催され、式典後は生産者代表による植付作業の実演が行われました。出席者は、動き出す移植機を笑顔で見守りながら、再生産の喜びと今後の産地振興への期待に胸を膨らませていました。
当課では、産地の生産性・品質向上と生産者所得の向上を目指し、今後も関係機関一丸となって支援を行っていきます。

2020年12月

金賞(農林水産大臣賞)を受賞したトルコギキョウ(写真中央、品種:ラビア―ジュ)
生産者の立川幸誉氏とトルコギキョウ栽培ほ場

金賞・銀賞・銅賞 八代地域のトルコギキョウが品評会で咲き誇る

11月16~18日の3日間、令和2年度熊本県花き品評会が熊本テルサで開催され、県内の花き産地から168点(うち八代地域からはトルコギキョウ30点、キク1点)の出品がありました。その結果、当地域のトルコギキョウがみごと最高賞である金賞(農林水産大臣賞)を受賞し、その他銀賞3点、銅賞1点にも入選しました。
金賞(農林水産大臣賞)を受賞した立川幸誉氏(氷川町)は、「自分は花が好きで、子供を育てるような感覚でトルコギキョウに接している。きれいな花が咲くと立派に育ってくれてうれしいという気持ちになる。」とコメントしていました。
八代地域では、品質の高い花きの安定生産に向けて地域一体となって取り組んでおり、今後も当課では、土づくりや病害虫対策、試験成果の普及を進めていきます。
今年は新型コロナウイルス感染症の広がりでイベントが減り、外で花に接する機会も減っていますが、おうち時間で自分好みの花を楽しんでみませんか。

2020年12月

OBからの講話の様子
現役クラブ員との意見交換の様子

OBの先輩にお悩み相談!4Hクラブ経営座談会を開催!

八代地方青年農業者クラブ(4Hクラブ)は、我が家の経営に悩みを抱えるクラブ員のため、当課と連携して10月27日にOBを招いて「経営座談会」を開催しました。
3名のOBからの経営内容紹介の後、参加者全員で意見交換を行いました。発表を聞いたクラブ員からは自分の経営に関する相談が相次ぎ、「身近な立場の先輩なので身になるアドバイスがもらえた」、「人に相談しにくい悩みを打ち明けることが出来た」など、今回の座談会を評価する多くの感想が寄せられました。
また、本年度はコロナ禍で新規就農者激励会が開催できなかったため、当課の呼びかけで2名の新規就農者が座談会に出席しましたが、貴重な意見交換と人脈づくりの場になったようです。
当課では、今後もこの様な取組みを継続して支援することで、八代地方における若い担い手のネットワークづくりに貢献していきます。

2020年11月

左:設営・運営演習で防疫服の着衣手順を確認。
右:ワークショップで課題を整理。

八代地域鳥インフルエンザ防疫演習を開催

熊本県県南広域本部は、10月28日(水)に、鳥インフルエンザ発生時に最も重要となる初動防疫を強化することを目的として、令和2年度(2020年度)八代地域鳥インフルエンザ防疫演習を開催しました。
今回は、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、対象者を「簡易検査陽性時点(疑い事例の発生)」から「遺伝子検査陽性時点(疑似患畜確定)」までの9時間に動員予定の人員に絞っての開催とし、県南広域本部職員のほか、市町、関係団体職員など約60名が出席しました。
はじめに、県南広域本部農業普及・振興課から鳥インフルエンザ発生時の防疫措置の流れについて説明し、その後、鳥インフルエンザ発生時に設置される「八代地域支援対策本部」の班・係ごとに分かれて分科会を行いました。
分科会では、まず、設置・運営の演習などを行ったあと、ワークショップ形式で、作業をとおして浮かんだ疑問点や改善が必要な点などを討議しました。実際に作業を行ったことで、今後の改善につながる実践的な意見が多く出されました。
農業普及・振興課では、今回得られた意見をもとに、地域版マニュアルの改善等を進め、万一の発生時に迅速な初動防疫が行えるよう努めて参ります。

2020年11月

機械実演会の様子
軽トラックへの積み下ろし

茶強化月間!機械実演会・勉強会など開催

10月22日に八代市泉町において、茶園管理の省力化を図る目的で、当課主催の軽量型管理機1)の実演会を開催しました。この管理機を使えば、人手が必要だった作業を1人で賄うことができるため、労働力不足の中山間地域での活用が期待されています。
実演会では11人の生産者を対象に、メーカーから機械の操作説明を受けた後、可搬型作業機2)の取り付けや軽トラックへの積み下ろしなど、実際の作業を体験してもらいました。参加した農家の方からは、「一緒に作業をする人も高齢化して、お茶を続けることが難しくなっていた。1人で作業ができるのは助かる。」との声が聞かれました。
10月は次作の収量や品質を高めるための大切な時期であり、茶強化月間として、実演会の他にも次作に向けた秋整枝の講習会や今後の販売方法を考える勉強会も、複数回にわたり開催しています。特に勉強会では、販売での課題や対策、他の地域の取組を取り入れられるかなど、意見交換が活発に行われました。
産地では、労動力の不足、需要の低下やコロナ禍での販売に苦戦しているところであり、省力化機械の導入、高品質な茶生産や、新たな販路開拓ができるよう今後も引き続き支援をしていきます。
1) 軽量型管理機:可搬型の機械の取り付けと軽トラックへの搭載が可能な自走式の機械。
2) 可搬型作業機:2人が畝の両側から持ち、作業(せん定)を行う歩行型の機械。

2020年11月

第46回熊本県い業大会 い草・い製品品評会表彰式(10月16日)

コロナに負けない高品質に更なる意欲!熊本県い業大会開催

令和2年産いぐさ・畳表の品質を競う「第46回 熊本県い業大会」が、令和2年10月1日~18日にかけて開催されました。
大会の柱となるい草・い製品品評会へは、八代・宇城地域からい草の部122点、い製品の部108点、計230点の出品があり、厳正な審査の結果、大会会長賞90点(うち農林水産大臣賞2点)が表彰を受けました。
本年は新型コロナウイルスや7月豪雨など、生産・販売面で様々な困難に直面しましたが、受賞した原草や畳表はいずれも素晴らしい品質のものであり、生産者の技術力、県産品の品質の高さを生産・販売関係者に改めて認識させる機会となりました。
現地では、令和3年産に向けたいぐさの植え付け作業が11月から始まりますが、本大会を契機に生産意欲が高まり、来年も一層高品質ないぐさ・畳表の生産が期待されます。
当課では、生産者の意欲の高まりに応えるべく、また県産畳表のさらなる品質向上・安定化を図るため、関係機関と連携しながら生産者への指導・支援を行っていきます。

2020年10月

設立総会の様子

特定技能で労働力不足解消~八代地域農業外国人材受入協議会を設立~

八代地域農業協同組合(以下、「JA」という)は、生産現場や選果場等での労働力不足を解消するため、去る9月30日に特定技能外国人材の受入れ体制構築と地域での共生社会の実現を目的とした八代地域農業外国人材受入協議会を設立しました。
当協議会は、県、市、JAで構成され、今年度は農産園芸課の事業を活用して外国人材への日本語講習や地域住民との交流等、生活支援の取組みを計画しています。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、9月から選果場で雇用予定だった外国人材9名が入国できていないことから、事業計画の見直しも視野に入れながらの活動になります。
当地域では、トマトや露地野菜を中心に外国人技能実習生の受入れによる労働力確保がすでに定着していますが、今回の特定技能外国人材の受入れは更なる雇用安定に向けた一手になると考えています。
当課では、引き続き現場の声を関係課へつなぐとともに、関係機関と連携して必要に応じた対応を行っていきます。

2020年10月

写真1 五反田地区での管理講習会
写真2 鶴喰地区での収穫の様子

秋の実り!中山間モデル地区の成果に手応え!!

八代市の中山間モデル地区である坂本町鶴喰地区及び東陽町五反田地区では、9月下旬から待ちに待った稲刈りが始まっています。今年度は、両地区ともに昨年大発生したトビイロウンカによる坪枯被害の発生はなく、大幅に収量が向上しています。
これまで両地区では生産者の高齢化や機械の老朽化等による生産力の低下という問題を抱えていたため、中山間モデル地区支援事業等により機械設備を強化しながら、水稲の生産技術の底上げを続けてきました。特にコストと労力を要する育苗から田植えまでは、新たに展示ほの設置や現地検討会等を通して、省力・低コスト生産や病害虫防除に関する指導を行ってきました。その結果、生産者からは「今さら人に聞けない基礎的な部分を再確認できて勉強になった」と一連の指導の効果を実感する声を聞くことが出来ました。
当課では今後も関係機関と連携し、今年の成果が定着し、さらに他地区にも普及できるように中山間地域の水稲生産の省力・低コスト生産及び増収・高品質化に向けた支援を行っていきます。

2020年10月

現地検討会資料の一部
ほ場の状況

栽培技術向上、トマト・ミニトマト現地検討会

令和2年(2020年)9月8日~9月27日に、JAやつしろ営農部と県南農業普及・振興課が共催し、管内35カ所で共販生産者を対象にトマト・ミニトマト現地検討会を実施しました。
現地検討会では、生産者一人一人のほ場を出席者全員で巡回し、生育初期の栽培管理や病害虫対策、適正な農薬使用等について意見交換や助言を行いました。
生産者からは「我が家以外のほ場を見ていい勉強になった」「初期の草勢をもっと良くするため、手入れを行う順番を検討したい」「最新の農薬登録に関する情報を家族とも共有し適正使用に努めたい」などの意見をいただきました。
この現地検討会は、経験の浅い生産者にとっては「作物の生理や基本技術を学ぶ」機会に、ベテランの生産者にとっては「基本技術の確認や新しい技術の収集を行う」機会になっており、生産者の栽培技術を向上させ、産地の底上げを図るため、今後もこの活動を続けていきたいと思います。

2020年10月

金賞を受賞した果実
品評会の様子

味良し! 色良し! 見栄え良し!「新高」梨果実品評会の開催

9月18日に、JAやつしろ竜北果樹部会主催による新高梨果実品評会が「道の駅竜北」で開催されました。
この品評会は、100年以上の歴史をもつ吉野梨のPRと生産者の栽培技術向上を目的に、同部会が毎年開催しているものです。
今年は、暖冬による開花異常や台風の接近により開催が危ぶまれましたが、生産者の技術力と生産努力により無事開催され、計28点が出品されました。
果実審査は、果形の揃いや果実糖度、みつ症発生の有無など5項目について、部会役員や果実連、県・市町担当者等により厳正に行われました。出品された果実はどれも果形が良く、夏場の少雨と日照時間の長さによる糖度の高さが、特に際立ちました。審査の結果、金賞1名の他、5名の入賞者が選ばれ、入賞果実は「道の駅竜北」に展示され、訪れる人々への良いPRになりました。
今年産のナシの出荷は、ほぼ終了し、出荷数量は前年比73%とやや少ない年になる見込みです。今後も当課では、JAなどの関係機関と連携して、生産・出荷の分析を行い、高品質・安定生産支援を進めていきます。

2020年10月

管内鳥獣被害マップ(H30年)
会議の様子

STOP!農作物被害~八代地域農作物鳥獣被害対策会議の開催~

八代地域は、野生鳥獣による農作物被害額がH27年から4年連続で県内ワースト1位となっており、毎年甚大な被害が発生しています。(H30年度被害額:105,406千円)
これまでに、中山間地域ではシカ、イノシシ対策として、侵入防止柵や電気柵の設置などを地域ぐるみで進め、獣害被害は減少してきました。しかし、平坦部では、露地野菜を中心にカモ類の被害額が増加傾向にあり、その対策が喫緊の課題となっています。
そこで、市町やJAなどの関係機関との情報共有及び今後の対策検討のために八代地域農作物鳥獣被害対策会議を8月20日に開催しました。
会議では、地区別の被害状況を「見える化」した鳥獣被害マップや管内地図を用いて意見交換を行い、特に被害が大きい地域の洗い出しを行いました。また、今年度の対策として、八代市及び氷川町に鳥獣被害対策展示ほを設置し、①被害軽減効果の検証、②鳥類の生態把握、③生産者への対策周知に取り組んでいくこととなりました。
今後も、産地の農作物を野生鳥獣から守り、生産者が安定した農業収入を確保できるよう関係機関と連携して鳥獣害対策に取り組んでいきます。

2020年10月

収穫前のほ場で現地検討会を開催
上益城地域に視察に行った際、現地農協職員から説明を受けている様子

ホオズキの産地を目指して

標高が高い泉地域においては、冷涼な気候を活かして8月のお盆に向けた観賞用ホオズキの産地化に2年前から取り組んでいます。今年は約5aを6名(泉西部:4名、五家荘:2名)で栽培しています。8月上旬に収穫期を迎え、丈が高く、大ぶりな実をいくつも付けた高品質なホオズキを前年より20%増の本数出荷することができました。
生産者からは「品質の高いホオズキが収穫できて、自信がついた」との声が聞かれ、次期作では半数にあたる3名の生産者が面積の拡大を計画しています。また、生産者が新規栽培者を募る活動を行っており、興味を持った人がすぐに栽培できるよう8月下旬の播種では多めにまいています。
現在の重点事項は栽培技術の習得であり、これまでも現地検討会や鹿本、上益城地域への先進地研修を実施してきました。今後は、栽培技術に加えて、販路についても関係者で協議を進め、泉地域におけるホオズキの産地化とともにブランドの確立を目指していきます。

2020年10月

収穫直前のいぐさ
八月苗現地検討会

新草薫る畳表の出荷始まる

令和2年産のいぐさは、生育前期に温暖な気候が続いたことから平年に比べてやや多収となりました。一方で、7月豪雨の影響で品質低下の原因となる根白がみられるところもありましたが、おおむね良好な品質で県内420haの収穫が無事終了しました。
畳表の価格は新型コロナウイルス感染症の影響により低迷していましたが、7月末からは新草で製織した畳表の出荷も始まり、今後、需要期に入るため売れ行きの向上が期待されます。
当課では、関係機関と連携し、宇城・八代地域の各部会に対して本田植付け(11月)から収穫直前(6月)まで水管理や防除について現地検討会等を行いました。また、今後の製織指導に向けて準備をしています。
産地では現在、令和3年産に向けた苗づくりが行われています。当課では、今後も現地検討会等を通して産地の支援を図っていきます。

※根白:いぐさの根元が白いまま伸長すること

2020年10月

写真1 今後の栽培管理についての室内指導
写真2 試験ほ場での生育状況の確認

水稲の高密度播種苗の実証試験実施中!

農事組合法人アグリ鹿島では、水稲及びWCS生産の省力低コスト化を図るため、今年度から高密度播種苗の実証試験に取り組んでいます。しかし、慣行栽培に比べると苗齢が若く苗丈も低いため、法人の構成員からは生育を心配する声が上がっていました。
そこで、当課では収量に大きく影響する8月の幼穂形成期に現地検討会を開催し、実際の生育状況を確認しながら構成員と意見を交換しました。その結果、高密度播種苗でも十分に茎数が確保され生育が旺盛であることを確認したことで、本技術への手ごたえと今後の収穫に対する期待が伺えました。
当課では、今後も関係機関と連携し、満足できる収穫を迎えられるよう支援するとともに、周辺法人への本技術の普及・定着を進めていきます。

※高密度播種苗:1箱あたり250~300gと一般的な稚苗より多く種籾を播種した苗のこと。少しずつ掻取ることで使用苗箱数が減り、移植の労力やコストを低減できる。

2020年8月

経営分析を基にしたモデル農家への個別面談実施

令和2年7月15日、16日、21日、28日に管内12戸のトマト・ミニトマト・メロンのモデル農家を対象に経営と生産に関する個別面談を実施しました。
個別面談では、過去3年間の出荷量や経費の増減に関する資料(個別分析)や他の生産者との比較資料(産地分析)を示し、生産と経営の両面から現状把握や課題の整理、今後の計画等について話をしました。
生産者からは、「我が家の課題を整理できたので次作から取り組みたい」、「産地分析で他の生産者と経費の比較ができて良かった」や「今後もこの取り組みを継続してもらえれば生産者にとって良い資料になる」などの意見をいただきました。
今後は、部会全体に協力を要請し産地分析の精度向上を図るなど、生産者の所得が少しでも増加するよう取り組みを進めていきます。

2020年8月

現地検討会
講習会

来年に向けた茶園管理はいかに!

7月9日に八代市泉町の茶生産者12人を対象に、各茶園を回る現地検討会と、座学での講習会を実施しました。一、二番茶の摘採も終了し、7月からは来年に向けた管理が始まるため、生産者からの関心も高かったように感じました。
現地検討会では夏期の整枝の位置や時期、防除の方法についてそれぞれの茶園の状況に合わせた指導を行いました。
講習会では土壌分析結果の見方や、その結果に合わせた施肥・土壌改良剤の施用の方法について説明しました。さらに今回は八代市の農事研修センターの土壌分析担当者を講師として招き、分析土の採取方法、分析の重要性について説明していただきました。
生産者の方はそれぞれの改善点を見つけられたことと思います。当課ではR3年度産に向けて、夏の管理や秋整枝などの適切な指導により高品質な茶の生産を目指しています。

2020年8月

説明会の様子

労働力確保に向けた説明会を開催

新型コロナウイルス感染拡大に伴う外国人技能実習生の入国制限により、八代地域では労働力不足が懸念されています。そのため当課では、まず4月に八代市や氷川町と連携して外国人技能実習生を受け入れている農業者の方々を対象にアンケート調査を実施し、労働力不足の現状把握に取り組みました。
その中で、労働力不足が特に懸念されるのは入国3年目の実習生を有する農業者であるとの傾向が明らかになったことから、7月15日(水)にその農業者の方々を対象とした労働力確保説明会を市町や農産園芸課と連携して開催しました。
当日は、30名の農業者に参加いただき、八代のハローワークでの農業求人状況や求人する際の留意点の説明、実習生の代わりとなる人材を雇用する際に活用できる支援制度(農業労働力確保緊急支援事業)等の周知を行いました。
参加者からは、実習生の入国の見通しが立たないことへの不安や支援制度の期間延長を求める意見があがっており、当課では、引き続き現場の声を関係課へつなぐとともに、関係機関と連携して必要に応じた対応を行っていきます。

2020年7月

摘採(茶摘み)直前の茶園
受賞された谷口清和さん

県茶品評会 最高賞受賞

7月2日に県茶品評会(荒茶の部)が開催され、蒸し製玉緑茶部門⑴で八代市泉町の谷口清和さんが1等1席(最高賞)を受賞されました。
谷口さんは日頃から病害虫の適期防除や、製造方法を工夫するなど、より良いお茶の生産に熱心で、当課でも茶園の栽培管理や、摘採時期の判断、製茶などの支援をしてきました。今回はその積み重ねが実を結ぶ結果となり、地域の生産者の皆さんも大変喜んでいます。
泉町からの1等1席の受賞は2年連続で、他の出品者の方も昨年以上の成績となり、地域全体でのレベルアップが見られました。
今後も当課では生産者の方と一緒に「いずみ茶」のブランドイメージの向上・拡大に向け、支援を継続していきます。
⑴蒸し製玉緑茶…主に九州でつくられる、曲がった形状が特徴のお茶

2020年7月

写真1 JA営農センターでの栽培指導
写真2 現地ほ場(八代市郡築)での生育状況の確認

中食・外食向け多収水稲品種「とよめき」

八代地域では露地野菜との組み合わせ栽培のため早生品種「キヌヒカリ」の栽培が盛んですが、近年の高温による品質低下で販売に苦慮しています。
そこで、代替として実需者からのニーズの高い中食・外食用の早生品種「とよめき」の導入を検討しています。「とよめき」は関東以西向けの多収品種で、H30年度の管内の展示ほでは720kg/10aの実績があることから、今年度はJAやつしろと連携して15.7haの普及拡大展示ほを設置しています。
6月26日、初めて「とよめき」を栽培する4名の生産者と一緒に展示ほの生育状況を確かめるとともに、今後の施肥や水管理の方法を確認しました。
農業普及・振興課では、今後も関係機関と連携し、適期防除の呼びかけや刈取時期の判断など、栽培管理を支援しながら「とよめき」の普及を・定着を進めます。

2020年7月

土壌断面調査の様子
土壌断面と根の様子

トルコギキョウの土壌断面に生産者も興味津々

八代地域のトルコギキョウ栽培は6月に収穫が終わり、その後、次の作に向けた土づくりが実施されます。そこで、JAやつしろ北部花部会トルコギキョウ生産者(10名)とJAの花き担当者が集まり、鏡町の2ほ場で土壌断面調査を実施しました。
当日は農業革新支援センターの職員とともに、土壌断面を見ながら土づくりのポイントや、根張りの様子から推察される土壌環境、トルコギキョウの生育と根張りの関係について解説しました。土壌断面を見た生産者からは「同じトルコギキョウで、客土の有無やこれまでのほ場管理の違いによって、根の張り方がこれほど変わるのか。」と驚きの声が聞かれました。
後日、生産者から土づくりの相談を受けたり、自分のほ場の様子を知りたいという若手生産者2名のほ場で土壌断面を掘ったりと、土壌に応じた管理や土づくりへの関心の高まりを実感しました。そこで、今後の活動では土壌に応じた管理や土づくりに着目した栽培支援をより一層実施していきます。

2020年7月

6月10日プロジェクト検討会の様子

コロナ禍にも負けないプロジェクト活動!

農業普及・振興課では新型コロナウィルスへの感染防止対策を行いながら、八代地方4Hクラブへのプロジェクト活動支援に取り組んでいます。
これまでは毎年4月の4Hクラブ総会後にプロジェクト検討会を行っていましたが、今年度は総会を書面決議としたため、検討会が開催できませんでした。そこで、当課ではSNSによる通話やメールによるプロジェクト意向調査で課題設定の事前準備を進めつつ、緊急事態宣言解除後の6月10日にプロジェクト検討会を実施しました。コロナ禍にありましたが、各職員がクラブ員と綿密に連絡を取ったことで昨年度と同じ数のクラブ員がプロジェクト活動の取組みを進めています。
農業普及・振興課では今後もプロジェクト活動への支援に加え、コロナ禍の影響を緩和する各種事業等のクラブ員への周知なども行って、青年農業者クラブの活動をバックアップしていきます。
*八代地方4Hクラブ…個々のクラブ員の経営課題についてプロジェクト活動等による解決を目的とする組織。現在、施設野菜やいぐさなどを栽培する24~31歳の12名で活動中。

2020年6月

出発前の様子
車に張ったマグネットステッカー

トマト黄化葉巻病対策広報パレード実施

日本一の冬春トマトの産地である八代地域では、タバココナジラミが媒介するトマト黄化葉巻病対策が長年の課題であり、地域全体の申し合わせとして「原則6月25日~8月15日」の約2か月作付しない期間を設けることとしています。 
そこで対策に関する生産者の意識を高め、徹底を図るため、5月14日、6月4日に市町、JA担当者に協力いただき、広報車6台連なって管内全域での広報パレードを実施しました。
広報パレードでは、「栽培終了後にタバココナジラミを野外に逃がさないため、ハウスの密閉処理を徹底すること」などを呼びかけました。生産者からは「次作、発生が少なくなるよう広報活動も頑張ってほしい」との話をいただきました。
6月18日に3回目の広報パレードを計画しています。また、その他にも、市町、JAの広報誌の活用や農業資材の販売店などへのポスター配布などを行うことにしており、対策の周知を継続して行っていきます。

2020年5月

ロビー展示中の花き
職場でのアレンジ

花きの長期保管技術実証

当課では、新型コロナウイルス感染症の影響による花き価格の低迷を受けて、(株)大田花き(東京都の花き卸売業者)が窓口となっている花きの長期保管技術実証事業にモニターとして取り組んでいます。本事業は花きの鮮度品質管理の実証を行うことで、今後の花き生産、流通、販売に活かすことを目的としています。
この実証試験は庁舎ロビーで行っており、それぞれの花に名前や花言葉などの紹介文を付けました。そのため、長期保管の実証だけでなく、来庁された方に地元産の花を知ってもらう機会にもなり、「きれいですね」「花があると明るくなりますね」との声を多数いただきました。
これまで2回調査を実施しており、ダリアやトルコギキョウは1週間以上、アリウムは2週間以上日持ちをすることが分かりました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、自宅や職場で過ごす時間が増えていると思います。生花は水替えや水切りのたびにアレンジを変えることで、主役も変わり様々な表情を楽しめます。また、ご家族や同僚の方とアレンジ勝負をするなど楽しみ方も多様です。皆さんもこの機会に自宅や職場に生花を飾ってみませんか。

2020年5月

トマト黄化葉巻病(TYLCV)
トマト黄化葉巻病発生株率

令和2年産トマト黄化葉巻病対策申し合わせ事項決定

八代地域では、地域一体となってトマト黄化葉巻病対策を推進しており、ウイルスを保毒している媒介昆虫(タバココナジラミ)を大幅に減らすためにトマトを作付けしない期間を設定することは大変重要です。令和2年産については、「原則8月15日以降の定植開始、翌年6月25日収穫終了とすること」で作付期間の申し合わせがなされました。
申し合わせ事項は、例年、トマトの出荷団体代表者、JA、行政機関など大人数が集まる「八代地域緊急病害虫対策会議(トマト専門部会)」の中で議論されます。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、まずJA等主な出荷団体の代表者と少人数で会議を行い、後日、その検討内容について、市町やJA系統共販外の出荷団体に対し、訪問や文書により説明し、了解を得ました。
今後は、防除対策の徹底実施に向け、市町、JAの広報誌への防除対策記事の掲載や広報パレードの実施、現地指導などの啓発活動を行い、トマト黄化葉巻病による被害軽減につなげていきたいと考えています。

2020年4月

写真1:作業の説明
写真2:作業前・写真3:作業後

荒廃茶園再生プロジェクト本格始動

八代市泉町では古くからお茶の生産が行われています。栽培から加工、販売などを一貫して同じ生産者の方が行うのが特徴です。しかし、近年は高齢化や後継者不足、機械の故障等により、荒廃茶園が増えています。
そこで本プロジェクトでは、荒廃茶園を減らすことを目的に茶園の提供・栽培・加工などを分業する体制の構築を試みることとしました。令和元年度から、茶園の選定、生産者やJA、市など関係機関への協力の呼びかけ等を行ってきました。
3月17日に初めての茶園管理作業である、中切りを実施しました。生産者の方と農作業受託組織“うぃずゆ~”、関係機関の計14人で作業を実施し、荒廃茶園を再生する第一歩となりました。
来年の一番茶の摘採に向け、施肥や防除、製造の分業をどのように行っていくか、模索を続けていきます。
※専門用語の説明 中切り:茶の更新のためのせん枝方法

2020年4月

展示された生花アレンジ
花いっぱいプロジェクトのポップ

花き消費拡大イベント「花いっぱいプロジェクト」

3月16日から4月13日にかけて、「花いっぱいプロジェクト」の一環として、熊本県花き協会八代支部では、八代市役所と氷川町役場、JR八代駅・新八代駅の4か所にフラワーアレンジメント作品やポップを設置しました。
この催しは、立ち寄った人が季節感や生花の良さを感じてもらえるように生花アレンジを1週間毎にかえました。TVや新聞でも取り上げられ生花の消費拡大につながったと思われます。
例年、3月から4月はイベントや歓送迎会等で花の需要が増える時期ですが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止や延期となり、市場価格の低迷から花き生産者への影響が懸念されています。

2020年4月

「八代特産晩白柚」(左:栽培ハウス風景、右:追熟ハウス風景)
「八代生姜」(左:トリミング風景、右:貯蔵庫風景)

「八代特産晩白柚」「八代生姜」が地理的表示(GI)に登録

農業普及・振興課、市、町、JA、生産部会が連携した取組みが実を結び、「八代特産晩白柚」「八代生姜」が、「地理的表示(GI)」として、3月30日に登録されました。
「八代特産晩白柚」は、文旦系統の柑橘で、八代市と氷川町で昭和20年代から栽培されています。栽培適地であることと地域に根ざした栽培技術(開花期の人工授粉、摘果、剪定及び袋掛け)によって大型となり、成熟が進むと、柑橘系の爽やかな香り、ほどよい甘味と酸味で食味に優れます。
「八代生姜」は、八代市と氷川町の棚田で大正末期から栽培されています。八代地域特有の栽培方法(疎植栽培と大きな種ショウガ)によって、根茎一つ一つが大きく育ち、みずみずしく辛みの少ないショウガとなります。また、収穫後の適切な貯蔵により、色艶が良く周年出荷が可能となっています。
関係者からは「この機会に全国へ売り出したい」「アピールがしやすくなる」「外国産や他産地との差別化ができる」など次なる産地戦略に期待が膨らんでいます。

2020年2月

説明を受けるクラブ員

八代地方4HC先進地視察研修

八代地方青年農業者クラブでは、六次産業化やGAP等の取り組みについて学ぶため、11月12日~13日に阿蘇地域及び大分県に視察研修に行きました。
阿蘇では、阿蘇地方4HCの「さとう農園」、「下城きのこ園」、及び「井野農菜園」に視察に行きました。同年代の農業者が、加工所運営や農家レストランの整備など高度な取り組みを行っているのを見て、八代のクラブ員も大いに刺激を受けている様子でした。
大分県では、大葉やスプラウトの生産販売、加工食品の製造販売を行っている「植木農園」に視察に行きました。クラブ員からは、「GAPに取り組んで良かったことは?」「加工品を作る上で、注意すべきことは何か?」など積極的に質問がなされ、有意義な研修となりました。
研修後も、クラブ員の六次産業化やGAPの取り組みの支援を行っていきます。

2020年1月

挨拶をする水田会長
プロジェクト発表の様子

八代地方青年農業者会議の開催

12月13日、八代地方4Hクラブ及び農業普及・振興課の主催により、八代地方青年農業者会議が開催され、クラブ員が我が家の農業経営の課題解決に取り組むプロジェクトの発表を行いました。
当日は、各クラブ員が緊張しながらも自らのプロジェクトを堂々と発表し素晴らしい内容となりました。審査員の指導農業士や女性アドバイザーから「発想が素晴らしい。自分たちも参考になる。」といった声が聞かれ、クラブ員も自分達の努力が評価されたことを喜んでいる様子でした。
八代地方4Hクラブは総勢15名が所属しており、今年度はクラブ員の8割がプロジェクト活動に取り組みました。当課ではクラブ員ごとに担当職員を配置し、4月にはプロジェクト検討分科会を開催して我が家の課題の抽出を行いました。さらに、9月には中間検討会を開催しプロジェクトの進捗の確認やフォローアップを行う等、課をあげて活動の支援を行ったところであり、その成果が本番でしっかり発揮できたと思います。
会議後はさっそく、県の農業者会議に向けてパワーポイントの修正や発表練習を行っているクラブ員や、次年度の農業者会議に向けて担当職員と打ち合わせをしているクラブ員もおり、プロジェクトに対する取り組みが活発になっています。次世代の担い手を育成するため農業普及・振興課では、今後も八代地方4Hクラブの活動に対して支援を行っていきます。

2020年1月

農産物ブース来場者
和室・駕籠展示ブース

女子ハンドボール世界選手権大会で八代地域農林産物をPR

11月30日から「女子ハンドボール世界選手権大会」の予選リーグが八代市においても開催され、農業普及・振興課では関係機関・団体と協力して八代地域の農林産物の認知度向上を図るため、ファンゾーン等でのPR活動を行いました。
ファンゾーンの当課のブースでは、トマトや晩白柚等を景品とした輪投げゲームを企画し、5日間で子供から大人まで700名ほどの方々に楽しんでもらいました。
また、八代産の畳表と県産木材を使った和室や駕籠等を展示したブースでは、家族連れや海外からの来場者など多くの方が写真を撮ったり、実際に触れてみたりするなど和の空間に関心をもって観覧されていました。
さらに、大会関係者に対しては、会場内のVIPラウンジにおいて、参加国の国旗を刺繍したいぐさマットをはじめ、タペストリーや椅子など数々のいぐさ工芸品や晩白柚を展示し、何人もの方から「工芸品がほしい。」、「晩白柚を食べてみたい。」といった声をいただきました。
期間中には地元八代管内からも多くの農家が来場されましたが、トマトや晩白柚、いぐさ等に多くの来場者が関心を寄せている光景を見ていただき、県の取り組みに対し、たくさんの「ありがとう」の評価をいただきました。

2020年1月

審査の様子
入賞された松田さん

過去最高順位 県茶品評会茶園の部

県茶品評会茶園の部の八代地域の審査が昨年11月21日に行われ、泉町の5人の方が出品されました。泉町からは松田泰輝さんが三等賞に入賞、八代からの出品では過去最高の順位となりました。審査では生育状況(12項目)・管理状況(11項目)・土壌分析(7項目)の計30 項目を茶業研究所の研究員や農業革新支援センターの専門員が審査します。比較的に均一に管理しやすい乗用型管理機・摘採機を使用されている茶園が多い中で、時間や労力のかかる可搬型を使われている松田さんは大健闘されたのではないかと感じます。
茶園品評会は日ごろの管理の成果を出すだけでなく、審査員の意見や土壌分析を受けて茶園の状況や管理方法を振り返るきっかけにもなります。今後も当課ではいずみ茶の振興のため、高品質生産に向けた栽培管理に取り組んでいきます。

2020年1月

令和元年度第1回いぐさ若手生産者研修会開催

いぐさ普及指導室では、熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会との共催により、12月17日に八代ホワイトパレスにて、「第1回いぐさ若手生産者研修会」を開催しました。
この研修会は、県内の若手いぐさ生産者に対し幅広い視点からいぐさ経営等を見つめる機会を設けることで農業経営の改善やスキルアップをはかり、産地の担い手育成・意識改革につなげることを目的に、昨年から実施しています。
研修会には宇城・八代地域のいぐさ生産者29名が参加し、株式会社農テラス代表取締役の山下弘幸氏による講演を行いました。
山下氏は、自身の農業人生の中で戦略的に稼ぐ農業経営を確立、さらに「企業農業」で今日を築いた体験を通し、現状を認識して時代の流れを読みとり、それに対応したイノベーションを繰り返していくことの必要性などを話されました。研修会ではこの他に情報発信に関する研修もあり、参加者は熱心に耳を傾けながら、経営改革をしていくことの重要性を認識しました。
いぐさ普及指導室では今後もこのような研修会を開催し、後継者・担い手の育成を図って参ります。

2020年1月

研修の様子

樹園地集積の先進地研修を実施

11月11日、梨を中心とした樹園地の集積に取り組んでいる中大野地区営農改善組合(氷川町)が、佐賀県伊万里市で先進地研修を行いました。
梨の産地である伊万里市では、高齢化と担い手不足に対応するため、関係機関が一体となり毎年団体の総会で計画の見直し等を行いながら地域単位で園地を守っていく「地域リレー方式」に取り組んでいます。
関係者から地域の梨園を守るための組織づくりや集積方法など具体的な事例を交えながら話があり、「まずは産地の将来像を描くことが重要」と力説されました。その後意見交換を行い、組合が目指す今後の方向性や取組みのヒントが得られました。
今後も中大野地区の産地活性化に繋がるよう、生産者をはじめ町やJAなどの関係機関と一丸となって樹園地の集積に取り組んでいきます。

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