2023年のエリア普及現地情報

2023年12月

10月4日実地演習の様子
10月25日机上演習の様子

天草地域悪性家畜伝染病対策防疫演習の開催

熊本県では、例年11月から翌年4月までの期間を「高病原性鳥インフルエンザ特別防疫対策期間」と定め、防疫強化に当たっています。
天草地域でも特別防疫対策期間に備え、万が一悪性家畜伝染病が発生した際に迅速かつ的確な初動対応ができるよう天草管内の建設業協会、農業共済組合、農業協同組合、警察署、市町、天草広域本部職員を対象として、防疫演習会を開催しました。
10月4日には、天草市新和町において、農場内作業者の送り出しの拠点となる現場事務所について、設営と運営に係る一連の流れを確認しました。また、運営は、実際に防疫服を着用した作業者を送り出し、現場事務所スタッフが対応することで、担当者の役割を確認する実践に即した演習を行いました。
10月25日には、天草広域本部において、天草家畜保健衛生所及び天草広域本部農業普及・振興課から、口蹄疫、豚熱、鳥インフルエンザ等の悪性家畜伝染病の概要及び初動対応に係る後方支援についての説明を行いました。また、10月4日の演習での振り返りや現場事務所以外の防疫対応についても説明を行い、参加者の防疫意識の徹底と確実な初動対応に向けた心構えを養うことができました。
当課では、引き続き支援センターや現場事務所候補地の確認を行うなど、防疫体制の整備を実施していきます。

2023年11月

抑制カボチャ現地検討会の様子
抑制カボチャ現地検討会の様子

集落営農組織における高収益作物(抑制カボチャ)現地検討会開催

天草地域の集落営農組織では、経営力強化の一つとして高収益作物の導入と定着を図っています。中でも抑制カボチャは有望な品目であり、令和5年度は6組織において約5Ha栽培されています。
しかし、栽培技術が安定しておらず、令和4年産の生産量は営農組織間で大きなバラツキがありました。また、集落が離れていることもあり、お互いの圃場等を見ることや交流する場もない状況でした。
そこで、栽培技術の向上と産地の活性化を図るため、令和5年9月12日に集落営農組織が一同に会した現地検討会を開催しました。
今年度栽培されていない営農組織も含め、7組織から21名の参加がありました。「農事組合法人芹生の郷ての」の圃場において、今後の栽培管理や実際の作物を見ながらの質疑が多くあり、非常に活気ある検討会となりました。
また、検討会の合間には営農組織の生産者同士でお互いの栽培状況等の意見交換も行われました。今後もこのような合同の検討会をぜひ開催して欲しいとの意見も多く、集落営農組織の経営力向上のため、引き続き支援して参ります。

2023年10月

阿村干拓生産組合の麦作における鳥害及び難防除雑草対策

上天草市松島町にある阿村干拓生産組合では、小麦を約16ha栽培しています。しかし、近年は鳥類による食害や難防除雑草であるカラスムギが繁茂し収量が低下していました。
そこで当課では、令和5年産麦作において、鳥類に対しては吹き流しやテグスに防鳥テープを組み合わせた資材による対策を指導し、カラスムギに対しては麦の播種前に石灰窒素を散布する防除法を指導し、現地実証を行いました。
結果として、鳥類による食害やカラスムギの発生を抑えることができ、令和4年産と比べると収量が約13%向上し、生産者も手ごたえを感じていました。
これらの結果を受けて、8月22日に生産者やJAと令和6年産麦作検討会を開催し、鳥害・カラスムギ対策の実施面積をさらに増やすことを決めました。
当課では、今後も関係機関と連携しながら、麦の安定生産と天草地域を担う営農組織の経営力強化に向けて、支援を続けていきます。

2023年10月

(株)ほたるの里城河原の主力加工品「こっぱ餅」の製造・ 販売方法の拡充にむけた取り組みについて~集落営農法人の経営改善の支援~

天草市五和町城河原地区にある(株)ほたるの里城河原では、水稲などの生産に加え、こっぱ餅などの加工品の製造・販売に力を入れています。
(※法人全体の売上のうち4割弱がこっぱ餅の販売収入)
こっぱ餅の賞味期限は20日~30日程度で、10月から翌年4月の約半年間製造し、常温のみで保管・販売を行っています。
12月の需要が突出して高いことから、12月に製造が集中しているため、冷凍技術の活用による製造時期や販売時期の分散、効率の良い生産体制について、産業技術センターの助言も得ながら検討を行っています。
7月以降、産業技術センター及びホシザキ南九(株)の協力のもと、急速冷凍機の活用による保存温度帯の拡充(冷凍保存し、解凍して販売するなど)や、製造工程において急速冷凍機による粗熱とりを組み入れることで、製造時間を短縮するなど様々な可能性について検討を重ねています。
9月1日には、急速冷凍機を活用して製造したこっぱ餅について、関係者(法人構成員、天草広域本部、JA本渡五和、産業技術センター、ホシザキ南九)15名で食味試験を実施しました。
今後、急速冷凍機の導入によるメリットやリスク等について検討を重ね、導入の必要性が明らかになれば、補助事業の活用等についての助言指導も含め、法人の経営力強化に向けて引き続き支援を行っていきます。

2023年10月

吉野果実選果場(氷川町)の研修の様子
(株)アグリ日奈久(八代市)の研修の様子

4年ぶりに開催。城南5地域の「城南ブッロク農業経営同友会研修会」

9月1日(金)に「城南ブロック農業経営同友会研修会」を4年ぶりに開催しました。
この研修会は八代、芦北、球磨、宇城、天草の5地域の県農業コンクール大会参加者や指導農業士で構成された地域農業経営同友会が連携して毎年開催されていましたが、コロナ感染症の影響により開催が延期されていたため、今回は4年ぶりとなりました。
本年度は八代地域での開催となり、当日は65名が参加し、輸出20年を迎える吉野梨の選果場と令和3年度に秀賞を受賞した地域営農法人(株)アグリ日奈久の現地研修を行いましました。その後の交流会では、各地域の会長から地域の現状や活動状況の報告等があり、盛会な研修会となりました。
参加者からは「隣の地域なのに今日初めて知ったことがあった」、「近い地域だからこそわかり合える」など研修会に参加して良かったとの声が聞かれました。来年度は球磨地域が担当で、皆さん楽しみにしている様子でした。

2023年8月

レタス分科会の様子
イチゴ・ミニトマト分科会の様子

天草地域野菜品目別生産者会議の開催~「オール天草」に向けた取り組み~

天草地域における喫緊の課題として、高齢化による担い手の減少や資材高騰による経営の圧迫、トラック輸送における2024年問題などがあり非常に厳しい状況にあります。
この厳しい状況を乗り越えるためには、天草管内3JAが連携し一体となって取り組む必要があると考え、(一社)熊本県野菜振興協会天草支部では、3JAの主要品目(レタス、ミニトマト、イチゴ)において、全ての生産者に参加を呼びかけ、品目別の検討会を7月11日と7月31日開催しました。
その中で、今後のJA合併を見据えて、品質の統一に向けた、合同での現地検討会や目均し会の開催や、耕種基準を統一し、共通の生産資材を使用することでコスト低減を図ることに合意しました。令和6年からは、統一の耕種基準に基づく共通の生産資材を使用していきます。
また、共同出荷を図るためにレタスのラップ施設やミニトマトの選果、イチゴのパックセンター等、中核となる集出荷施設の整備についても要望や意見が活発に出され、今後、国の事業等の活用も視野に入れ検討していきます。
生産者からもJAの県域合併を見据え直ちに行動できるよう定期的に開催をお願いしたいとの意見があり、今後も「オール天草」に向け支援して参ります。

2023年8月

実演会の参加者
実演の様子

ラジコン草刈り機の実演会の開催

天草地域では、13の地域営農組織が設立されており、地域の農地や農業を守るために活動をされています。しかし、組合員の高齢化等により労働力が不足しており、特に夏場の畦畔等の草刈りが負担となっています。このような中、営農組織から「ラジコン草刈り機の導入を検討している。導入前に性能を確認してみたい。」と言った要望があったため、農業普及・振興課では、全営農組織を参集してのラジコン草刈り機の実演会を6月20日にJA本渡五和の育苗センターで開催しました。
実演会には、天草の営農組織の組合員等約80名が参加し、3社のラジコン草刈り機の実演を熱心に見学していました。実演会後には、アンケート調査を実施し、各営農組織のラジコン草刈り機の導入意向について調査を行いました。
今後は、アンケート結果を元に、共同導入の検討や作業受託の提案等、営農組織の労働力負担軽減へ向けた活動支援を続けていきます。

2023年8月

関係機関と打合せ
操作講習会の様子

ザルビオフィールドマネージャの普及に向けた連携会議と操作講習会の開催

天草地域では、地域の担い手である地域営農法人に対して、栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー(以下ザルビオ)」の導入を進めています。導入を進めるうえで、関係機関同士で情報交換するための連携会議を6月20日にJA本渡五和本所で開催しました。
会議には、全農、経済連、中央会、JA本渡五和、ザルビオの開発メーカーBASFジャパンの担当者が出席し、各組織の役割分担や現在行っている可変施肥の試験について協議を行いました。
また、午後からは、ザルビオを導入している地域営農組織を対象に、ザルビオを効果的に活用するための操作研修会を実施しました。田植えの忙しい時期でしたが、ザルビオを導入している9法人のうち7法人が研修会に参加し、講師の説明を受けながら、熱心にシステム操作を習得されていました。
今後は、関係機関と連携しながら、試験ほ場の調査や営農組織へのフォローアップを行い、スマート農業技術の普及と定着に向けた支援を続けていきます。

※ザルビオフィールドマネージャー…気象情報、人工衛星からの画像等をAIが解析して、作物の生育や病害・雑草の発生を予測。その結果に基づき、最適な防除時期や収穫時期等を提案する栽培管理支援システム。

2023年8月

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~第1回勉強会(経営+栽培講習会)を開催

天草地域は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の定着による稼げる園芸の土台づくり」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式による3回の研修を計画し、第1回目の勉強会(集団指導)を6月28日に天草広域本部の会議室で開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から26名の参加があり、第1部として共通テーマの「経営講座」を行い、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。特に果樹については、天草農業研究所の協力により実際に樹を見ながらの研修としたことで、より効果的な研修となりました。
新規就農者からは、「青色申告のメリットが分かり経営に活用したい」、「摘果の重要性がわかった」、「長年の疑問点が解消された」等の声が聞かれました。
引き続き、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2023年7月

ほ場の様子
土壌断面調査

こざとこ農事組合法人における「くまさんの輝き」の収量向上を目指して

天草市天草町下田南地区にある天草こざとこ農事組合法人では、水稲のブランド化に取り組んでおり、昨年度から「くまさんの輝き」を栽培しています。「くまさんの輝き」は、販売先からはおいしいと評判で注文が多いのですが、昨年の収量は10a当たり340kgと低い状況でした。
そこで、原因を探るために行った土壌分析や土壌断面調査では、りん酸や微量要素に不足が見られたため、土壌改良資材の使用を法人に提案し、その効果を確認するための展示ほを設置しました。
今後は、関係機関と連携しながら、展示ほの生育・収量調査などを行い、「くまさんの輝き」の収量向上を目指し、米のブランド化に向けた取り組み等の支援など法人の経営力強化に向けた指導を続けていきます。

※微量要素・・・植物の生育に欠かせない成分のうち、その必要量が、ごく微量のもの。マンガン、ほう素、鉄、銅、亜鉛等

2023年6月

繁殖管理・飼養管理研修会の様子
繁殖管理・飼養管理研修会の様子

黒毛和種子牛生産の経営改善に向けて~繁殖管理・飼養管理研修の開催~

天草地域は黒毛和種繁殖雌牛の飼養頭数が県内飼養頭数の約10%を占め、県内有数の黒毛和種の産地です。
4月21日に、楠浦地区コミュニティセンターにおいて、天草家畜保健衛生所および天草広域本部農業普及・振興課から、亀場・楠浦地区の繁殖農家7戸を対象に黒毛和種繁殖雌牛の管理に関する研修会を開催しました。
分娩時の事故対策や繁殖管理に起因する問題点についての確認、普段の飼養管理の見直し、TMRやSGS等の自給飼料の情報提供を行い、参加者への黒毛和種繁殖経営の基礎知識の再確認と飼養衛生管理基準を順守した経営に対する意識づくりを実施しました。生産者の方からは発情確認の方法や自給飼料等多くの質問が寄せられ経営改善に向けた、有意義な研修会となりました。
当課では、引き続き肉用牛飼養管理の省力化や自給飼料活用技術等への支援を実施していきます。

◯TMRとは…粗飼料、濃厚飼料、ビタミン、ミネラル等を混ぜ合わせた混合飼料(Total Mixed Rations:完全混合飼料)
◯SGSとは…完熟期の飼料用稲を刈取り、加水してサイレージ調製した飼料(Soft Grain Silage:籾米サイレージ)

2023年4月

剪定研修の様子
剪定研修の様子

あまくさ晩柑の安定生産に向けて~剪定研修会の開催~

天草地域は県内有数の中晩柑産地であり、「河内晩柑(あまくさ晩柑)」については県内1位の生産量(県内シェア約65%)を誇ります。
3月16日に、天草農業研究所でJAの指導員を講師として、管内の果樹技術員(15名)を対象に河内晩柑の剪定研修を開催しました。果実外観向上のための剪定方法の検討や低樹高化による省力化について確認を行い、技術員同士で意見交換を行いながら剪定を進めていきました。また、管内で導入が進んでいる、わい性台木を用いたヒリュウ台「河内晩柑」の剪定も行うことで、導入推進に向けて特性の理解を深めることができました。剪定は、カンキツの年間栽培管理の中でとても重要な作業となるため、講師を務めた技術員には多くの質問が寄せられ、充実した研修会となりました。
当課では引き続き、あまくさ晩柑を含めた中晩柑の安定生産に向けた取組を実施していきます。

2023年4月

現地検討会の様子((有)コウヤマ)
現地検討会の様子(すみっこの台所)

~新たな加工品開発を目指して~天草地方農漁村活性化グループ管外研修会開催

天草地域では、15の加工グループにより『天草地方農漁村活性化グループ連絡協議会』を組織し、男女共同参画社会の実現や経営管理能力の向上、女性組織の育成及びネットワークの強化、更には、地元の特色を生かした地産地消の推進及び食文化の継承を目指した活動に取り組まれています。そこで、天草地域の農林水産物を活用した魅力ある特産物加工品づくりの知識・技術の習得を目的とし、益城町の『(有)コウヤマ』及び合志市の『ヴィーブルレストランすみっこの台所』において、2年ぶりとなる管外での研修会が開催されました。『(有)コウヤマ』では、サツマイモの加工・販売の取組みや商品開発、海外事業等の話を聞き、天草の特産品である「こっぱ餅」や「がねあげ」に代わる加工品開発に意欲が高まった様子でした。また、『すみっこの台所』では、くまもと食の名人でもある代表者と地産地消レストランの運営や食材の調達方法等細部にわたり意見交換を実施し、特に世代交代の話題で盛り上がりました。参加した会員17名からは大変有意義であったとの感想があり、早くも次の研修計画の話が上がり、当課としても引き続き支援していくことにしています。

2023年3月

果実審査の様子
入賞果実の展示

天草地域の特産カンキツが勢ぞろい!~中晩柑果実品評会の開催~

天草地域は県内有数の中晩柑産地であり、「不知火(デコポン)」「河内晩柑(あまくさ晩柑)」「ポンカン」等の様々な品種のカンキツが栽培されています。また、現在は露地不知火が出荷の最盛期を迎えています。
2月16日に県天草広域本部において、消費者へのPRと消費拡大、カンキツ農家の技術向上を目的として、「天草地域中晩柑果実品評会」を開催しました。
当日は、カンキツ9品種57点の出品があり、JAや市、天草農業研究所、農業普及・振興課等の果樹関係職員が審査を行いました。
本年度は、着花・着果が少なかった上に、資材価格の高騰や台風の襲来、寒波等により厳しい生産環境となりましたが、外観もよく高品質の果実が出品されていました。また、入賞果実は「天草とれたて市場」に展示され、生産者や買い物客、観光客が入賞果実を興味深く眺めておられ、天草のおいしいカンキツをアピールすることができました。
当課ではおいしい天草のカンキツを食卓へ届けられるよう、今後も関係機関や生産者と連携し、高品質果実の安定生産に向けた取組みを実施していきます。

2023年3月

~新規就農者の経営の土台づくりと早期定着に向けて~第3回勉強会(経営+栽培講習会)を開催

天草地域は、園芸主要品目で生産を行う新規就農者に対して、関係機関とプロジェクトチームを結成し、重点普及課題「新規就農者の定着による稼げる園芸の土台づくり」に取り組んでいます。本年度は個別指導に加え、集合形式による3回の座学講座を計画し、3回目の勉強会(集団指導)を2月21日に開催しました。
当日は、新規就農者及び関係機関から29名の参加があり、第1部として共通テーマ「経営講座」をグループワーク形式により、第2部として品目別分科会「栽培技術講座」を実施しました。さらに、夜の部として、就農者同士の交流を深めることを目的とした懇親会を開催し、有意義な会となりました。
新規就農者からは、「青色申告のメリットが分かり経営に活用したい」、「せん定作業を写真付きで解説してもらい、よく理解できた」、「今後の栽培管理に活かしたい」等の声が聞かれました。
引き続き、個別指導とともに勉強会を組み合わせながら、きめ細やかなサポートにより新規就農者の所得向上、定着に向けて取り組んでいきます。

2023年3月

品種展示会参加の様子(7月)
個別面談の様子

選ばれるトルコギキョウ産地づくりに向けて

トルコギキョウは多くの種苗メーカーが毎年新品種を発表しており、多様な花色や花形が人気の切り花で、天草地域でも盛んに栽培されています。一方で、市場からは産地として安定した出荷と品質の高位平準化が求められており、そのためには栽培技術の向上に加え、地域の気候や土質にあった品種選定が重要となっています。
近年、温暖化等で栽培環境が厳しくなる中、JAあまくさトルコギキョウ部会でも品種選定を重要視しており、7月に開催された種苗メーカーの品種展示会へ参加するなど、優良品種の選定に努めています。
そこで当課ではJAあまくさと連携し、部会員を対象に来年度の作付け品種に関する個別面談を実施しました。面談では各生産者の作付け計画や品種構成について聞き取りを行い、優良品種の特性や栽培管理における品種ごとの注意点について説明しました。生産者からも品種の特性や組み合わせについて積極的に質問がなされ、品種選定の重要性を改めて確認する機会となりました。今後は面談の内容をもとに、トルコギキョウ部会としての年間出荷計画や品種構成について、主要市場も交え意見交換を行う予定です。
当課では引き続き栽培技術の向上、品質の高位平準化を図り、消費者から求められるトルコギキョウの産地づくりを支援していきます。

2023年2月

~新規就農者&若手農業者等が一堂に集結!~天草農業未来会議「冬の集い」を開催

新規就農者の激励と先輩農業者(天草地方4Hクラブ)との活動発表等を通した技術や情報の交換・相互交流を図るため、天草農業未来会議「冬の集い」を12月14日に開催しました。
第1部の新規就農者激励会では、本年度新規就農者6名が出席し、自らの営農展望を語るとともに、関係機関から激励の言葉と記念品を贈呈しました。 また、先輩農業者にあたる4Hクラブ、天草NFN※の活動紹介や令和4年度県農業コンクール参加者(新人王部門)の経営事例の発表も行いました。
第2部の青年農業者クラブの活動発表では、2名が意見発表、4部門に5名が経営改善のためのプロジェクト発表を行いました。新規就農者からは、「今後の営農に参考になった」などの意見がありました。「冬の集い」は今回で6回目の開催となりますが、指導農業士、青年農業士、拓心高校生など合計54名が参加し、新規就農者を地域で支えるイベントとして定着しています。
当課では、引き続き、新規就農者の課題解決のための技術習得をきめ細かく支援しながら、自ら成長していく「未来」を担う人材の育成を進めていきます。

※天草NFN(天草ニューファーマーズネットワーク)
 新規就農者の相互連携と情報共有を目的に平成29年5月に設立。メンバーは25名で、SNS等を用いたやりとりを行っている。

2023年1月

全体会議の様子
分科会(レタス)の様子

~全国から天草地域の野菜関係者が集結!~令和4年度 天草地域冬野菜販売対策会議を開催

天草地域の冬野菜の本格出荷に向け、11月25日に「令和4年度天草地域冬野菜販売対策会議」を開催しました。当日は、野菜生産者、市場・輸送関係者、管内3JAや市町担当者を含む、約100名の参加がありました。
会議では、全体会議後、主要品目であるレタス、ミニトマト、イチゴに分かれて分科会を開催しました。各JAから、現在の生産状況や出荷計画の説明があり、市場からは情勢が報告されました。その後、天草内外の生産物を用いて現物査定を実施し、イチゴ、ミニトマトの着荷時の着色状況を意識した収穫やレタスの出荷規格の確認を行いました。
参加者からは、「市場からの情勢報告や消費地の動向を聞くことができ良かった。今後もこのような会議を継続して開催してほしい。」「生産コストが上昇している中で、しっかり価格に反映させてほしい」といった声が聞かれ、今後も天草地域が一体となって、野菜を生産、販売していく士気が高まる会議となりました。
当課では、引き続き、天草産野菜のブランド力を高めるため、技術向上や販売力アップなどに、関係機関と一体となって取り組んでいきます。

2023年1月

「熊本EC12」実証園での品種特性説明
小規模基盤整備園モデル園での推進

果樹新技術・新品種実証園等を活用した普及活動~カンキツ経営の省力化・所得向上を目指して~

天草地域は、不知火類(デコポン)、「河内晩柑」、ポンカン等中晩生カンキツの県内主産地です。当課では、カンキツ農家の生産安定と所得向上を図るため、関係機関と連携して新技術・新品種の実証や樹園地集積・小規模基盤整備モデル園の整備等に取り組んでいます。
11月9日、これらの実証園やモデル園を活用し、新しい技術や品種特性などへの理解を深めることを目的に、JA本渡五和中晩柑部を対象とした、管内の先進事例研修会を開催しました。当日は生産者約30名の参加があり、ヒリュウ台「河内晩柑」や新品種「熊本EC12」、基盤整備モデル園について、それぞれ当課から説明を行いました。いずれの園地も省力化や規模拡大、所得向上が図られている事例であり、参加者からは多くの質問が寄せられ、関心と意欲の高さがうかがえました。
また、JA本渡五和では、収穫安全や好調な販売を祈願した施設デコポン収穫祭、ポンカン収穫安全祈願祭が開催され、本年産の販売がスタートしました。
当課では、引き続き関係機関と連携し、カンキツ生産者の所得向上のため、新技術・新品種等の更なる導入拡大に取り組んでいきます。

2023年1月

~地域リーダー相互の経営改善と後継者育成に向けて~天草農業経営者協議会経営高度化研修会を開催

指導農業士等で組織される「天草経営者協議会」では、会員相互の研鑽と経営の高度化を目的として、現地研修会を11月11日に開催しました。
最初に、昨年度県農業コンクール受賞者の畜産農家を訪問し、繁殖経営における計画的な規模拡大や哺乳ロボットを活用したスマート農業、次に、施設園芸経営体におけるきゅうりの周年出荷や販売戦略の事例を現地視察しました。更に、就農2年目の若手園芸農家のミニトマトハウスを訪問し、現状や考え方を聞く中で、生産技術の向上や地域との関係づくりに向けたアドバイスや激励の言葉を送られました。
当日は15名の参加があり、作物の垣根を越えて今後の展望や課題を活発な意見交換となり、「非常に勉強になった」「学ぶものが多くあった」など意見がありました。また、今年度からは新たに3名が会員として加わることになり、相互交流による経営改善等を通して、地域の牽引役として更なる活躍が期待されます。
当課では、地域リーダーである経営者協議会の活動支援を通じて、若手農業者の育成や地域農業の活性化の取組みを進めていきます。

2023年1月

総会の様子(中央 山崎会長)
講演の様子(講演者:山本氏)

~法人間連携等による経営力強化に向けて~2年ぶりの連絡協議会総会及び連携会議開催

地域の核となる16法人組織と関係機関で組織された「天草地域営農組織連絡協議会」の総会及び第2回連携会議を11月24日に開催しました。総会は対面では2年ぶりで15法人組織と関係機関から約50名の出席がありました。
総会では、R3活動実績・R4活動計画について全ての議案が承認され、新たに桑野組合長((農)楊貴妃の郷しんわ)が新会長に選出されました。
また、連携会議では、法人組織の経営力強化と法人組織間の連携を推進するため、JA熊本中央会より来年10月から実施されるインボイス制度による法人への影響と緩和策となる広域連携の取り組みについて事例紹介を交えて講演していただきました。また、管内で試験実証に取り組んでいるスマート農業技術(ザルビオフィールドマネージャー)について、全農及びJA本渡五和の担当者より、本年産水稲において「いもち病」の発生を初発時に予見し被害拡大を未然に防いだ実績などが紹介され、高い関心を見せた4法人で導入に向けて検討することとなりました。
今回の総会・連携会議では、ほとんどの組織から複数名の参加があり、未だ関心の低いインボイス制度に対する警鐘と法人間連携の前提となる運営状況を見直す契機になったと考えます。本課では引き続き、各法人組織の経営力強化に向け、栽培技術の向上や共同化に関係機関と一体となって取り組みます。

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