2022年のエリア普及現地情報

2022年11月

令和4年産イチゴの好調出荷に向けて~イチゴの定植が順調に開始!~

八代地域は、今年発足50周年を迎えたJAやつしろ和鹿島イチゴ部があるなど県内でも大規模なイチゴ産地(共販栽培面積約51ha)であり、「ゆうべに」を主に「さがほのか」、「恋みのり」など多品種が栽培されています。
定植期の9月を迎え、当地域では9月10日、15日に定植実施の判断基準となるイチゴの一斉花芽検鏡が実施されました。
前作では、8月中旬の長雨低温による定植時の不時出蕾の多発生や畝立て準備の遅れなど問題が多かったため、今作では定期的な苗の生育状況調査や現地検討会・講習会を通じた各時期の管理のポイントについて生産者への指導を行ってきました。
その結果、夏季の高温により一部花芽分化の遅れがみられたものの、台風14号通過後の低温により花芽分化がすすみ、9月23日~25日をピークに順調な定植が行われました。定植後の生育は、活着も良好で、不時出蕾の発生や病害虫の発生も少ない状況です。
農業普及・振興課では、定植以降の管理についても、引き続き関係機関と連携しながら、現場の課題に沿った指導を行い、令和4年産の安定出荷を目指していきます。

2022年11月

会議の様子

中山間地域農業支援プロジェクトチーム会議開催

令和4年(2022年)9月12日(月)に、中山間地域農業プロジェクトチーム会議を開催し、モデル地区の事業の最終評価や進捗状況について協議を行いました。
八代地域では、坂本町の鶴喰地区、東陽町の五反田地区、泉町の泉町西部地区、旧八代市の二見野田崎地区が中山間農業のモデル地区として設定されています。今回の会議では、鶴喰地区の最終評価に係る協議と他3地区の進捗確認を行いました。鶴喰地区では、事業を契機に設立した農事組合法人鶴喰なの花村が、地区のコミュニティ維持及び活性に貢献しています。会議には法人から早川理事が出席されて、共同利用機械の導入による省力化やコスト削減、主要作物のブランド化や高収益作物の導入による収益増に大きな効果があったと説明がありました。
その一方で、安定的な労働力や収益の確保、所得の向上など課題も残っており、地域の方の協力やボランティアの活用、先進地研修など、できることから一歩ずつ進めていくこととしています。
農業普及・振興課では、引き続き事業主体の取組み状況を把握し、持続可能な農業に何が必要なのか、どのように確保するのかという地区に合わせた解決策を、事業主体及び関係機関と一体となって考え支援していきます。

2022年11月

トルコギキョウの省力的で良質な苗を目指して

八代地域はトルコギキョウの出荷量が県内1位の産地です※。管内のトルコギキョウ生産者の多くが自家育苗に取り組んでいます。
育苗法には、苗の上からミスト等でかん水する『上部かん水』とセルトレイの下部に水をためて給水させる『底面給水』があります(表1)。
管内の育苗では、定植時の作業性に優れる『上部かん水』が主流となっていますが、苗の生育不ぞろいや作業時間が多いことが問題となっています。そこで、当課では『底面給水』の省力的な育苗が可能でありながら、セルトレイの底穴から根が伸張し、定植時に取り出しにくいという欠点を解決するために、『底面給水』に根域制限資材を組み合わせた育苗法の展示ほを設置しました。
展示ほの育苗結果は、慣行の『上部かん水』より省力的に、従来の『底面給水』より定植時の作業性に優れる苗を育苗することができ、展示ほを設置している生産者からは、次年度の育苗でも使っていきたいとの声がありました(写真1)。現在、展示ほでは定植後の生育を調査しており、慣行の『上部かん水』による苗と同等の生育となっています(写真2)。今後も収穫時の品質調査により効果を検証し、育苗の省力化につなげていきたいと考えています。

2022年9月

生産体制共同化推進チームメンバーによる調査結果の検討

経営分析で知るいぐさ・畳表産地の「今」と「未来」

県内のJA、市町、い業関係団体及び県で構成される熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会の生産体制共同化推進チーム会議が7月29日に開催され、同チームが実施したいぐさ・畳表農家の経営調査結果の検討を行いました。
この調査は平成25年の調査以来7年ぶりに行われたもので、経営規模別に抽出した農家30戸を対象に、令和2年の青色申告決算書(損益計算書)及び作業別労働時間の記録に基づいて、農業普及・振興課が中心となって分析を行いました。
会議では、前回調査と比べて、①販売額の増加、②肥料費や諸材料費(経糸、染土等)等の増加、③農業所得の増加、④農業所得率の減少、⑤家族労働時間は変化なし等の現況が報告されました。
その後、これらの報告に対して活発な意見交換が行われ、JA指導員等の感覚を含め現場の経営状況と概ね一致していることが確認されました。特に、販売額の増加は、県育成品種「涼風」が普及し畳表の生産枚数が増加したことによる効果という意見で一致しました。
一方で、経費の増大により農業所得率が低下していること、労働時間の削減が進んでいないことなどの問題が改めて浮き彫りとなり、将来の産地の維持・継承に向けた経営上の課題を関係機関で共有することが出来ました。
協議会では今後、調査結果を農家の経営改善支援やR5年度に策定する構造調整計画に活用していく予定であり、農家所得向上と産地の維持発展に向けた中長期的な対策を検討していきます。

2022年9月

選果の様子
収穫中の幸水ほ場

夏の味覚、吉野梨のリレー出荷始まる

令和4年産の梨の出荷が7月15日から始まりました。JAやつしろでは、68ha、68戸で梨が栽培されており、今年は大きな気象災害もなく着果も良好で順調に生育し、約500tの出荷量を見込んでいます。生産量については全般的にやや多く、食味は概ね良好となっています。  
管内主産地である氷川町は県内でも有数の梨産地であり、吉野梨と呼ばれ親しまれています。
平成28年に吉野選果場に導入された光センサー選果機で、ピーク時には日量4万玉が選果されます。               
7月中旬のトンネルハウス幸水から始まり、幸水、秋麗、トンネル豊水、豊水、トンネルあきづき、あきづき、トンネル新高、甘太、新高と品種・作型をリレーしながら、9月下旬まで集荷が続きます。
近年の温暖化や気象変動の激化による、春先の発芽不良や新高のみつ症等の発生に備え、農業普及・振興課では施肥時期やみつ症軽減の散水試験の展示ほ等を設置しています。またみつ症の発生しにくい品種として、新品種「甘太」の導入推進のため、栽培特性や貯蔵性など関係機関とともに調査を行っています。

2022年8月

総会の様子
各法人が掲げたR4年度取組み目標

一歩ずつ進もう! 氷川町6法人による協議会総会

氷川町では、H26~R元年にかけてカントリーエレベーターを核に6法人が設立され、これら法人間の連携を目的に「氷川町農事組合法人連絡協議会」がR元年に組織されています。この度、第3回総会が開催され、各法人のR4年度活動目標や、法人間の連携強化を確認しました。
農業普及・振興課では、6法人を重点対象に位置づけ、経営力強化に向けた水稲低コスト技術導入や労働力補完等の検討を支援していますが、法人毎に経営熟度や理事の意識に差があるのが現状です。本協議会の松田会長からも「ホップ・ステップ・ジャンプが理想だが、一歩ずつ進んでいきましょう」と発言があり、法人の意識向上と経営熟度に応じた支援が必要だと感じています。
そこで総会では、法人設立の目的再確認と、互いのライバル心向上をねらいに定め、各法人のR4年度活動目標や新たに取り組んでいる技術・品目導入の事例を紹介しました。農業普及・振興課としても、各取組みの現地検討会を開催し、役員の意識啓発や連携強化につなげていきたいと考えています。

2022年8月

手炒り釜で茶葉を炒る協議会
加熱した葉を揉み込む来場

「平家いずみお茶まつり」賑わう!

新茶が香る6月5日、平家の落人伝説で知られる八代市泉町にて「平家いずみお茶まつり」が3年ぶりに開催され、多くの来場者で賑わいました。
「平家いずみお茶まつり」は、八代市、JA、商工会、森林組合等からなる平家いずみお茶まつり実行委員会が「いずみ茶」をはじめとする農林産物の消費拡大を目的に、毎年新茶の時期に合わせて開催し、市内外の多くのいずみ茶ファンで賑わう市有数のイベントとなっています。新型コロナの影響で2年間開催ができませんでしたが、3年ぶりとなる今年は地域の賑わいを取り戻そうと、会場のふれあいセンターいずみの屋外スペースに新茶の試飲や販売のほか体験ブースが設置されました。
中でも好評だったのが、泉町茶業振興協議会員が中心となって行った「手炒り釜製法体験」です。現在の泉町では、生葉を蒸すことで酸化発酵を止める製法が主流ですが、釜炒り製法は、熱した釜で生葉を直接炒る昔ながらの製茶法で、香ばしい香りが特徴です。参加者からは、「お茶づくりを体験することで、茶の種類や製造法を知るきっかけになった。」といった声が寄せられるなど、普段からいずみ茶を飲んでいただいている消費者に、昔ながらの茶の製法を体験してもらうことで、いずみ茶への関心が高まる場を設けることができました。
農業普及・振興課では引き続き協議会と連携し、茶の生産振興とともに、消費拡大に向けたPR活動を支援していきます。

2022年8月

「繋いできたものを残すために」 鶴喰なの花村第6期通常総会開催

令和4年(2022年)6月10日(金)に、鶴喰地区営農改善組合総会及び農事組合法人鶴喰なの花村通常総会が開催され、令和4年度事業計画や法人経営の状況について報告がありました。
八代市坂本町の(農)鶴喰なの花村は、平成29年度に中山間地の鶴喰地区の担い手として法人設立以降、米のブランド化や新規作物アスパラガスの導入だけでなく、ドローン防除作業受託、エミュー飼育による耕作放棄地の活用など、経営の多角化に積極的に取り組んでいます。しかし、収益向上や作業効率化など目に見える成果が発現している一方で、依然として地域の高齢化率は高く、役員の労働負担など担い手の問題は残されているのが現状です。
総会では、法人の農作業量や組合員の協力体制について見つめなおすとともに、5年後、10年後の法人の将来像を見据え、松村代表が「代々受け継がれてきた農地や文化などの財産を残していきたい。法人の設立当時の気持ちを思い出して、組合員の協力をお願いしたい。」と述べ、組合員への作業サポートを呼びかけました。
農業普及・振興課としても、中山間地域農業の牽引役である鶴喰地区が希望をもって取組みを続けていくために、法人の意向を注視しながら、現地指導のほか関係機関との一体的な支援に努めます。

2022年8月

栽培講習会
かん水試験

八代地域露地野菜の安定生産に向けて

6月上旬にJAやつしろのキャベツ、ブロッコリーの露地野菜部会生産者を対象とした栽培講習会を実施しました。露地野菜の出荷が終了して間もない時期ですが、令和3年度作の課題の整理と令和4年度作に向けた栽培管理について指導を行いました。
令和3年度作は、9月以降の高温乾燥の影響による活着不良や生育の遅延・停滞が発生し、年内出荷量が平年比80%程度に留まりました。
そこで、講習会では定植直後の活着促進と高温乾燥期の生育促進のために積極的な灌水の実施について、昨年度の灌水試験結果を踏まえながら説明しました。加えて、JA指導員からアブラナ科野菜で問題となっている根こぶ病の対策についても排水・灌水管理の徹底が重要であることが説明され、生産者に重要性を再確認してもらいました。
当課では令和4年度作の安定生産に向け、今後も適切な水管理や根こぶ病対策の指導および対策技術の展示ほ設置など関係機関とともに支援を行っていきます。

※アブラナ科野菜根こぶ病…根茎部にこぶ状の病徴ができ、吸水不良によって生育不良になる病気。

2022年7月

活動報告等
新役員挨拶

決意を新たに!JAやつしろい業部会総会開催

八代・宇城地域のいぐさ農家で構成されるJAやつしろい業部会は、令和4年(2022年)5月28日(土)に第21回総会を開催しました。コロナ禍の中、参加人数は制限されましたが、部会員38名、来賓20名の参集のもと、3年振りに関係者が一堂に会する総会となりました。
冒頭の挨拶で森野利明 部会長は、「ハーベスタや移植機、苗処理機の導入で安定生産に向けた環境が整ったが、燃油、肥料、経糸の高騰など不安な状況が続いている。QRコード付きタグの100%挿入による産地表示を徹底し、安心・安全で信頼される国産畳表の生産を行い、国・県・市町・JA等と力を合わせ、安定したゆとりの持てるいぐさ経営を目指し活動を行っていく」と決意を述べました。
生産者の中心組織であるい業部会は、新型コロナウイルス感染症の影響で活動が制限される中、森野部会長のリーダーシップのもと一丸となり、加工講習会や畳店との交流会等、生産技術向上と消費拡大に向けた活動を継続してきました。
今回の総会では、生田和之氏が新たに部会長に選出され、今後、新体制の下でい業部会の活動がスタートします。
当課ではJAやつしろい業部会と連携し、いぐさ・畳表の品質向上や低コスト生産対策等、産地の維持発展に向けた支援を行っていきます。

2022年7月

八代地域農業経営者協議会・3年ぶりの交流会を開催

6月3日、八代地域の指導農業士及び県農業コンクール大会受賞者で構成される八代地域農業経営者協議会の定期総会及び交流会が開催されました。令和2~3年度は書面開催でしたので、集合方式は3年ぶりとなりました。
総会前に普及指導協力委員(指導農業士)の感謝状贈呈及び本年度委嘱状交付式が行われた他、総会後の交流会は令和元年度~3年度県農業コンクール大会受賞者及び県農林水産業功労者表彰(農業部門)の祝賀会を兼ねており、こちらは平成30年度から4年度ぶりの開催となりました。
八代地域では、農業コンクール3部門及び地域貢献賞を11組、農林水産業功労者表彰を3名が受賞、うち2組は秀賞・農林水産大臣賞を受賞されております。交流会には11名が参加されました。
会員26名をはじめ、県南広域本部農林水産部長が出席し、来賓として八代市長、氷川町長、JAやつしろ代表理事組合長に出席いただき、参加者は49名となりました。
交流会では当協議会村上副会長(会長代理)より、「3年ぶりに集まれたことに感謝、コロナ禍のみならず燃油資材高騰等で困難な情勢にあるが、お互い励ましあうことでヒントやチャンスを得たい」とのあいさつがあり、参加者間でも今後の展望や課題を活発に意見交換され、有意義な交流会となりました。
今後も、当課は担い手の経営発展に向け様々な指導・支援に取り組みます。

2022年5月

協議会開催の様子

八代メロンを積極的に消費地にアピール

令和4年4月21日に八代地方メロン出荷協議会が、3年ぶりに市場関係者を八代に招き、総勢72名出席のもと、盛大に開催されました。本協議会は、生産者、JA、JA熊本経済連、市町、県南広域本部が一同に介し、メロンの生育状況や出荷計画を協議し、円滑な流通販売のために開催されています。
出荷協議会に先立ち、管内の農家ほ場4か所で、JA等指導員から生育状況について報告がありました。本年産は、気象条件も良く、大きく肥大したメロンを市場関係者と共に確認しました。本産地では、アールスメロン、ホームラン、肥後グリーン、クインシーなどを中心に、4月下旬から6月下旬に出荷の予定です。
出荷協議会では、まず、農業普及・振興課から本年産のメロンの生育概況を、JA熊本経済連から時期別出荷計画が報告されました。次に市場関係者からはメロンを取り巻く情勢について報告があり、生産者からは「本年産は、定植時期の低温により、暖房コストが増加しているため、産地の事情をご理解いただき、高値での販売をお願いしたい」など、生産者、JA等指導員と市場関係者による積極的な意見交換が行われました。

2022年5月

茶の製造を行う協議会員
荒茶の出来栄えを確認する様子

3年ぶりとなる一番茶製造研修会を開催しました

県内有数の茶産地である八代市泉町では、山間地域における重要な基幹作物として、寒暖差を活かした良質な茶の生産が行われています。今年の一番茶は4月19日から摘採・製造が開始され、5月初旬がピークとなる見込みです。
4月22日、茶業研究所にて泉町茶業振興協議会員を対象とした茶製造研修会が開催され、生産者6名が参加しました。本研修は、会員の製茶技術向上を目的としており、近年はコロナの感染拡大防止のため中止していましたが、今年は協議会員の強い希望もあり、3年ぶりに開催することができました。
今年の一番茶芽は葉が薄く小さめ、一方で茎が太く、節間が長い傾向があり、蒸しの通りやすさが部位によって異なるため、品質の高い茶を製造するには、繊細な機械の調整が必要とされます。
研修では、蒸し加減の調整や乾燥時の適切な取出し水分量などを重点的に指導がなされました、協議会員からは、「毎年芽の状態が異なるため、製茶の加減も変えていかなければならない。今年の芽の状態に合った製造法が分かった」といった声が聞かれるなど、多くの協議会員が製茶感覚をつかめた様子でした。
当課では今後も泉町の茶生産者の技術向上に向けた支援を行っていきます。

2022年5月

会議の様子
八代地域就農者推移

新規就農者支援にかかる連携会議を開催

令和4年3月14日、県南広域本部において八代市・氷川町・JAやつしろ及び八代地方4Hクラブ、指導農業士、農村女性アドバイザー、新規就農アドバイザー等で構成される八代地域新規就農支援連携会議を開催しました。
今回は、国事業(農業次世代人材投資事業)の改正や新規事業について、制度の概要や運用上の留意点、及びサポートチームによる指導支援の継続が確認されました。また令和4年度の活動として、新規就農者を早期に把握する事と、経営継承も就農課題として本会議で扱うことを掲げ、承認されました。
八代管内の新規就農者は毎年40名前後で推移し、平成24年度以降はUターン就農者や農業経験のない新規参入者も増加しておりますが、一方で他地域や県内平均より新規学卒就農者の割合が高いのが特徴です。
今後も4Hクラブ員や指導農業士の方々と連携して、新規就農者を地域全体でサポートしていく事としております。
農業普及・振興課は、市町・JAと連携した巡回指導や、新規就農者激励会等を開催しており、引き続き関係機関と連携し、新規就農者の指導及び支援を行っていきます。

2022年3月

フラワー・イズ・ビューティフル!

熊本県花き協会八代支部とJAやつしろ花部会が共同で、3月2日に氷川中学校と竜北中学校の卒業生(計102名)と、3月2、3日に八代地域にある3か所の子育て支援センター利用者および先生(計25名)を対象にフラワーアレンジメント教室を行いました。
中学校では、保護者へ渡すアレンジを卒業生に作成してもらいました。相手を想いながら作成したアレンジに、さらに手書きのメッセージカードを添え、日ごろの感謝の気持ちを伝える素敵な贈り物となったと思います。
この活動を通して、生花を扱うことの楽しさや花を贈ることの喜びや良さを体験してもらうことができました。また、アレンジに使った花材は全て八代地域の生産者が栽培した花を用い、地域の魅力を発信することもできました。
子育て支援センターでは、新型コロナウイルスの感染対策として、ZOOMを利用したオンライン形式で開催しました。今回は桃の節句をイメージしたアレンジを作ったことで、生花を扱う楽しさに加えて、季節感を感じてもらうことができる活動となり、参加者からは「これまで生花を扱う機会がなかったけど楽しかった。桃の節句のお祝いをするときに飾ります。」などのコメントがありました。
コロナ禍の花き業界は、業務需要の減少の一方で家庭消費が増加する傾向にあり、当課では、管内の家庭消費拡大を図る取組みとして、これまでも管内在住者を対象としたオンラインアレンジ教室を開催してきました。今後も関係機関と協力して花の魅力を広める活動を続けることで、管内の花き産業を盛り上げていきます。

2022年3月

熟練の生産者による仕上げ技術の講習
当課から適期収穫の必要性を説明

畳表の更なる高品質化に向け、生産者の意識が高まる

JAやつしろい業部は2月9日、畳表の仕上げに関する産地全体の技術向上や若手生産者への技術継承を目的として、生産者35名参加のもと加工講習会を開催しました。
畳表の仕上げは、畳表を織る際に発生した織り傷を修復するために行い、品質を左右する大事な作業です。講習会の上級コースでは、県内トップクラスの技術を持った生産者2名から、様々な織り傷を手早く修復する熟練の技術が披露され、参加者はそれを自分のものにしようと熱心に指導を受けていました。また、初級コースでは、仕上げ道具の扱い方など初歩的な技術をベテラン生産者が丁寧に伝えていました。
併せて当課からは、生産者全戸調査から明らかになった結果を基に、県育成品種「涼風」の適期収穫、深耕・心土破砕・堆肥施用などの土づくりを中心に、良質いぐさ生産のための基本技術について講習しました。
また、産地では2月から3月にかけて、各地域で令和4年産いぐさの現地検討会も開催されています。当課も参加者のほ場を一緒に回りながら、今年の生育状況に応じた栽培管理について検討を重ねており、加工と栽培の両面で生産者の意識が高まってきています。

2022年2月

輸出用晩白柚が積まれたトラックを前に横断幕を持つ関係者

世界にはばたけ!八代特産晩白柚香港向け輸出出発式の開催

八代地域特産で世界最大級の柑橘類である「晩白柚」の香港向け輸出の出発式が、1月6日にJAやつしろ八代果実選果場で開催されました。
中華圏では、黄色く、丸く、大きいものは縁起物とされていることから、晩白柚は贈答用として人気があります。本式典は今年で8回目となり、現地の春節の商戦に向けて2,132玉(L玉:2,100個、3L玉:32個)が出荷されました。
今年産の晩白柚は、天候に恵まれ、生産者の日々の努力により色良し、味良し、外観良しの果実に仕上がっています。八代地域では、これらの果実を3月まで計画的に出荷するとともに、香港での晩白柚フェアやGI登録(R2年3月)等を通して晩白柚の魅力を発信し、国内外への販路拡大・消費拡大を図っています。
農業普及・振興課では、今後とも晩白柚を始めとする柑橘類の生産指導に加え、販路拡大、関係機関の連携強化に努めて参ります。

2022年2月

検討会の様子
簡易暗きょ施工の様子(中央)

収益向上を目指して、地域営農法人での小麦栽培が始まる

氷川町の地域営農法人(6法人)では、法人経営の収益向上のため水田の高度利用に取り組んでおり、当課では、各法人にあった品目の展示ほを設置して、その支援を行っています。
様々な取組みがある中、(農)肥の川南(ひのかわみなみ)では、6法人初となる小麦(14ha)の生産が本作から始まりました。一方、作付けほ場は海岸に近く、地下水位が高いため、長年、水田裏作の栽培で排水対策に苦労してきた地域です。
そこで、当課では農機メーカーの協力を得て昨年11月には、地下に空洞をあける専用機械で簡易暗渠を施行した展示ほを設置し、排水対策を中心に小麦の栽培管理の技術支援を続けています。
今回の小麦導入の取組みは、他法人からの関心も高いことから、生育状況などを情報提供しつつ、無事に収穫が迎えられるよう適期管理を引き続き支援していきます。

2022年2月

現地検討会の様子
現地検討会の様子

STOP!農作物被害~鳥類被害対策現地検討会編~

12月23日に八代地域農産物鳥類被害防止対策連絡協議会(以下協議会)主催による鳥類被害対策現地検討会を開催しました。
協議会では、地域で問題となっているカモ類による農作物被害軽減を図るため、これまで連携会議や講習会の開催、対策チラシの配布等を実施してきました(5月、9月普及現地情報参照)。さらに、12月から1月上旬にかけて対策展示ほを設置し、被害軽減効果の検証を行っています。
現地検討会では、関係機関(市町、JA、農業共済)に加え、各地区の生産者代表を招き、協議会の取組みについての情報を共有するとともに各展示ほの現地確認を行いました。展示ほの内容は、①侵入経路遮断のための水路へのテグス設置、②慣れ防止のための複数の対策組合せ(防鳥テープ、吹き流し、ライト)、③レーザーライトによる追い払い対策で、生産者の関心も高く、活発な意見交換を行うことができました。
今後も当課では、関係機関と緊密に連携を図りながら、展示ほでの被害軽減効果を引き続き検証していくとともに、農作物の被害軽減に向けた取組みを検討・実践していきます。

2022年2月

(見学先)バナナ園内説明
(見学先)ブロッコリーほ場説明

八代地域農業経営者協議会・現地研修会を開催

令和3年12月10日、八代地域の指導農業士及び農業コンクール受賞者で組織される本協議会の研修会が2年ぶりに開催され、会員19名の参加がありました。当課は事務局としてプログラム立案、随行、見学先の説明対応など、研修会全体を指導及び支援しました。
見学先は県農業コンクール受賞者(令和元年度1名・令和2年度2名)で、イチゴ、キャベツ、亜熱帯作物及びブロッコリーのほ場を巡回、それぞれの経営の特色や展望、課題について意見交換を行いました。
見学先の3名のうち2名は4Hクラブ員であり、本協議会会員の平均年齢と比較すると、かなり若い世代です。2人とも若いうちから経営の裁量を任され、創意工夫やチャレンジ精神のある取り組みをされています。会員からも高く評価する声も聞かれ、後進育成の必要性について、改めて認識する場ともなりました。会員から見学先農業者に対しても、経験をもとに熱心に助言される場面が多く見受けられ、活気ある研修となりました。
農業普及・振興課では、担い手の経営安定と若手農業者への継承が円滑に進むよう、個々の状況に応じた指導・支援を行っていきます。

2022年1月

演習の様子(全体)
現場事務所における全身消毒実演の様子

八代地域鳥インフルエンザ防疫演習を開催

氷川町内での鳥インフルエンザ発生を想定し、防疫措置に係る初動業務の内容と手順を確認するとともに、支援体制の強化を目的として、去る10月26日、氷川町竜翔センターにおいて演習を開催しました。
今回は、地域支援対策本部長である県南広域本部長をトップに、広域本部職員のほか、中央家畜保健衛生所、九州地方整備局熊本河川国道事務所八代維持出張所、八代警察署、市町、農業団体などから83名が参加しました。
鳥インフルエンザ発生時の防疫措置の流れ及び支援対策本部の動きについて中央家畜保健衛生所と県南広域本部から説明した後、支援センター運営の模擬演習を行い、さらに屋外に場所を移して、現場事務所及び消毒ポイントの運営模擬演習を行いました。
野鳥の飛来が本格化しており、鳥インフルエンザの防疫強化のため、当地域では関係機関と連携を密にし、万が一の事態に備えます。

2022年1月

講習会の様子
移植機の実演

いぐさカセット式移植機の円滑な導入に向け、講習会を開催!

いぐさ植付作業の省力化を望む生産者の要望を受け再生産が決まった88台のいぐさカセット式移植機のうち、本年度分の66台が生産者に引き渡されました。
引き渡しに当たって、植付作業が円滑にできるように、11月5日、農業研究センターアグリシステム総合研究所において、JA熊本経済連主催でいぐさカセット式移植機導入者講習会が開催されました。講習会は、コロナ禍の中、三密を避けるため午前午後の2回に分けて開催され、宇城・八代地域合わせて生産者約70名が参加しました。農業普及・振興課からは「カセット式いぐさ移植機による植付作業の注意点」として苗づくりから植付作業の要点を説明しました。その後、農機メーカーにより移植機の取扱説明や苗処理・移植作業の実演が行われ、参加した生産者は説明を熱心に聞いていました。
本年のいぐさの植付作業は、例年どおり11月上旬から始まりました。天候に恵まれ順調に進んでおり、今後12月中旬ごろまで続きます。

2022年1月

新規就農者の自己紹介
激励会後の座談会

八代地方新規就農者激励会を開催

令和3年11月15日、桜十字ホールやつしろで新規就農者激励会を開催し、新規就農者11名及び関係機関等から27名の参加がありました。
コロナ感染拡大防止のため広めの会場を確保し、新規就農者による自己紹介、当課からの就農動向と様々な支援制度の説明、4Hクラブ活動紹介、先輩農業者(宮崎修太氏(元4Hクラブ県連会長、平成27年度農業コンクール新人王部門秀賞受賞、ミニトマト経営)による事例発表と、就農者との座談会を行いました。
八代地方4Hクラブ会長の清田一生氏からは、日頃のクラブ活動紹介に加えて、様々な困難が伴う農業という仕事に誇りを抱いて欲しいという事と、仲間づくりの重要性を語っていただきました。宮崎修太氏からは就農当時から現在までの経緯と、自社ブランド「宝石とまと」の取り組みの他、今後の抱負について語って頂きました。
激励会後の座談会では、新規就農者より、日々の農作業の感想から経営主(=父親)との距離の取り方や悩みなど、様々な意見が聞かれました。先輩農業者となる宮崎氏、清田氏からも、経験談をもとに熱心に助言をいただき、活気ある会合となりました。
今後、当課は4Hクラブ及び関係機関と協力しながら、早期の就農者の定着や経営安定に向け、個々の状況に応じた指導・支援を行っていきます。

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